ゆるく体を動かすだけでしっかりやせ体質になる

運動はあらゆる面で減量効果を底上げします。まずは“ゆるく体を動かす”習慣をつけることからスタート!

筋肉が落ちると肝臓に脂肪が増える

体にとって重要なエネルギー源であるブドウ糖は、肝臓と筋肉(=骨格筋)、血中に存在しています。そのうち、肝臓と筋肉ではブドウ糖を「グリコーゲン」という形で貯蔵しています。

しかし、筋肉量が少ないとブドウ糖の貯蔵場所が不足し、肝臓で対処せざるを得ません。しかし、肝臓でもグリコーゲンとして貯蔵できる量には限度があるため、グリコーゲンの6倍もの量を貯蔵できる「中性脂肪」という形に変え、肝細胞に押し込むことになるのです。

つまり、肝臓の脂肪を落とすには、過剰な糖質摂取を減らしつつ、運動でブドウ糖を貯蔵できる筋肉量を増やすことが大切なのです。

出典:『専門医が教える1分で肝臓から脂肪が落ちる食べ方決定版』(KADOKAWA)
[図表1]筋肉に貯蔵できず「肝臓」へと送られる糖 出典:『専門医が教える1分で肝臓から脂肪が落ちる食べ方決定版』(KADOKAWA)

ここで、筋肉が血中の糖を取り込むルートを解説しましょう。

1つ目は食事で上昇する血糖値を下げるためにインスリンが分泌されると、インスリンが筋肉に作用して、血中の糖をグリコーゲンに変えて貯蔵するルート。もう1つは、運動によって筋肉が収縮することで、血中の糖が直接取り込まれるルートです。

つまり、運動をすれば、インスリンがなくても血中の糖を減らせます。

運動のメリット1:筋肉量が増える

スクワットなどの筋トレをすると、効率よく筋肉量を増やせます。筋肉は、筋線維という細い筋細胞が何千本も束になってできています。運動で筋線維に負荷を与えると、筋線維が肥大して体積が増加します。ちなみによくいう“筋肉量を増やす”とは、筋線維の数を増やすわけではなく、体積を増大することになります。

■おすすめの運動

つかまりスロースクワット、フラミンゴポーズ、プランク、ひざつき腕立て伏せ

運動のメリット2:血流がよくなる

ウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳のように心拍数を適度に上げる有酸素運動は、全身の血液循環を促進。血流がよくなると、酸素と栄養素が体のすみずみまで運ばれ、老廃物の排出も促されます。

また、座りっぱなしが続くと血流が悪くなるので、こまめに下半身を動かすのも血流アップのポイント。

■おすすめの運動

縦伸び1分早歩き、ひざ裏伸ばし、つま先の上げ下げ