他人が休むと許せない日本人
日本の場合、「休暇」というのは「必ずしも取らなくてはいけないもの」だとはされていないため、そこに「選択の余地」が生まれ、結果的に「休まず仕事を頑張る人」が出てきます。ところが「休まず仕事を頑張る人」というのは、自分の気がつかないうちに、体力も精神も疲弊しています。そうすると、余裕がなくなります。そういった中で「他人が休んでいると許せない」という心境になっても不思議ではありません。
ですが、「あの人はラクして稼いでる」「あの人は休んでいるのに優遇されている」という考え方の癖をやめ、「自分がしっかり休む」ことに集中したいものです。「〇〇さんがラクしている」「〇〇さんは休んでばかり」……などと悪口を言うこととは無縁でありたい。それよりも「自分もみんなもラクして働くにはどうしたらいいか」を考えるようにしたいものです。
郊外だからリモートワーク、子供がいるからリモートワーク、好きだからリモートワーク。リモートワークひとつにしても、みんなそれぞれの事情があります。各事情に合った働き方ができること。それが結果的に全員がハッピーになる近道です。
お昼休みが「30分」の理由
さて、リサさん(※)のお昼休みは30分。
日本人には短いように思えますが、実はドイツの会社では「お昼休みを30分」にしているところは少なくありません。お昼休みにゆっくり休むことよりも、早く仕事を切り上げて、家に帰って休みたい──多くのドイツ人はこう考えているのです。
フランスやイタリアなどはドイツよりもグルメで、「ゆっくりと食事を楽しむ」ことを大事にする文化圏ですが、ドイツ人は平均して「食というものに、それほどこだわらない人たち」です。したがって、お昼休みは30分でじゅうぶんだと考える人は少なくありません。人によってはサンドイッチを頬張り、すぐに仕事に戻ります。
実践できること:ランチを軽く、夕食はゆっくりと
たまには残業せず、早めに帰宅する日があってもいいはずです。そのために、ランチ時間の規定がないならば、ランチを軽くすませ、夕食をゆっくりとるのはいかがでしょうか?