日本とドイツ、「有休」の違い
ヨヘンさんはこう話します(※)。
「日本とドイツの間には文化面でたくさんの違いがあるように『有休』もその一部だと思ってる。日本人は協調性を大事にするし、そういう面では『ほかの人が働いているときに自分が休む』という状態がとても居心地悪いのは理解できる。でもそうはいっても、同じ人間だからね。どんな人間にも時間や体力、精神の限界はあるから『休むことが大事』というのは最終的には否定できないんじゃないかな。僕はkreativ(クリエイティブ、創造的)であることが求められる仕事は、特に『休みなく働く』ことはアウトだと思う。単純作業ならともかく、やっぱり心身ともにリラックスした状態だからこそ『アイディア』が生まれるのだと思う」。
このように、「クリエイティブ」な仕事であるほど、休暇が大事だと話していました。そんなヨヘンさんに「一番、幸せを感じる時間」について聞いたところ、「僕は物欲もあまりないし、やっぱり自然の中にいるときが一番幸せかな」とのこと。物欲はなくても、余裕のある生活ができること。自然の中で体を動かす時間があること。仕事と家庭のバランスがいいこと。ヨヘンさん一家を見ていて、こちらも幸せな気持ちになりました。
仕事のルーティン
ヨヘンさんに今度は「働いているときのルーティン」について聞いてみました。
まずは朝のルーティン。ヨヘンさんは6時45分に起き、子供のおむつを替えてから、子供たちの着替えをして、親子ともども歯磨きをして朝食。上の子を幼稚園、下の子をプレイグループへ送るために8時15分には家を出ます。
子供たちを預けたあと、ヨヘンさんは自転車に乗ってミュンヘンの中心部へ。このとき、片道40分ほど自転車をこぐことが、いい運動になっていると言います。9時15分ごろに会社に到着すると、まずパソコンのスイッチをオン。それから1杯の水を飲み、コーヒーも飲みながら仕事に取りかかります。
この時間が1日の中で最も集中できる時間。自分が担当している商品のさまざまな詳細についてじっくり考えることができるのは、この「午前中の時間帯」です。
