「日本の祝日は素晴らしい」──ドイツ出身のサンドラ・ヘフェリン氏はそう語ります。ドイツとは違い、全国民が同じ日に休めるため、遠方の友人とも予定が合わせやすいからです。 一方で、日本にGDPで逆転したドイツの「働き方」や「休み方」にも、私たちが学ぶべき点は多くあります。本記事では、サンドラ・ヘフェリン氏の著書『有休取得率100%なのに平均年収が日本の1.7倍! ドイツ人の戦略的休み方』(大和出版)より、ドイツに学ぶ戦略的な休暇の取り方について解説します。
「祝日の日数が多い」日本人と、「有休全消化」のドイツ人…GDP逆転に見る、両者の“決定的な差”

日本の祝日は素晴らしい

日本の祝日の何が素晴らしいかって、なんといっても、その数です。日本の場合、6月と12月以外は、毎月、最低でも1日は祝日がありますし、その祝日は全国共通ですから、お互いに忙しくても、祝日を利用して少し遠くに住んでいる友達に会うことができます。

 

ドイツの場合は、日本よりも祝日の数が少なく、また州ごとに祝日の日にちが異なりますので、ベルリンに住んでいる人が、祝日に「ミュンヘンに住んでいる友達に会いに行こう!」と思っても、ミュンヘンは祝日ではない可能性があります。

 

例えば3月8日の「国際女性デー」はベルリンでは祝日ですが、ミュンヘンは祝日ではありません。私も基本的には「自分が好きな時期に休みを取る」、つまりは有休を取ることを応援していますが、その一方で「みんなが休んでいるときに自分も休み」だという居心地のよさというか、安心感も実感としてとてもよくわかるのです。

 

全員が休みなのですから、祝日に仕事の連絡があることはまずありません。私は長く日本に住んでいるので、マインドが「日本化」しているのかもしれませんが、「自分で希望しなくても自動的に休める」ということが、なんだか嬉しいのです。

 

「5年前の『文化の日』は〇〇さんと会ったな」なんて思い出に浸れるのも、天皇誕生日などの一部の例外を除いて「毎年同じ時期に祝日があるから」です。日本人は「とにかく休まない」というイメージがあるわけですが、日本のこの「祝日」のよさは日本内外にもっと知られてもいいのかもしれません。