年齢を重ねるにつれ、子育てや仕事の責任が増し、忙しさに追われる日々のなかで「自分のことは後回し」になっている人も多いでしょう。しかし、ある日突然その“後回し”の代償が、人生を揺るがすかたちで現れることもあるようです。獅子にひれ氏の著書『定年が気になりはじめた50代おひとりさま女子たちのトリセツ』(ごきげんビジネス出版)より、著者の「転機」となった出来事とそこから得た教訓をみていきます。
4時間睡眠、往復4時間通勤。仕事と子育てに明け暮れ…総合職としてキャリアを重ねた50代女性、息子が家を出たあとに気がついた「28年で失った大切なもの」 (※写真はイメージです/PIXTA)

「2分の1」に勝利…手術は成功し、日に日に回復

発症してから2か月後、私は手術を受けます。「手術はうまくいきましたから、もう大丈夫!」とドクターに言われたときは、うれしくて涙が出ました。

 

ラッキーなことに、術後はわずかの痛みや不調も残らず、合併症もなく、日に日に回復。術前の不安は見事に消えて、感謝という言葉だけでは言い表せない幸せな気持ちで毎日を過ごしました。

 

自分を後回しにした“ツケ”か…失って気づいた「健康」の重要性

この経験がなければ、これまで当たり前だった「健康」をこれほど意識することはなかったと思います。「健康」だからこそ、やりたいことができていることに初めて気づけました。失って気づくとはよくいいますが、私の場合は失いそうになって気づけたので、そういう意味でもラッキーなほうだと思えます。

 

普段から、自分の体からのSOSに敏感でいれば、運動や生活習慣など気にしていれば、未病ケアや予防もできていたのかもしれなかったと反省しました。

 

健康であるために、無理をしすぎない、ストレスを抱えない、よく眠る、バランスよく食事をする、適度に運動する、など健康によいといわれる生活を送るために必要なことは頭でわかっていても、できるほうが難しいのではないかと思っていました。仕事や子育てをしている期間は、とくに自分のことが後回しになってしまいがちです。

 

働く皆さんは、どうでしょうか? 大なり小なり自分を後回しにした経験をもっている人がいるのではないかなと思います。ですが、こうしてそのツケが訪れるときがくることもあります。これから先の人生を考えたとき、まずは健康であり続けること。やはりこれが生きていくうえですべての土台であり、必要不可欠なことだと実感しました。これは年齢に関係なく、すべての人にいえることではないでしょうか。

 

私のようにひとり暮らしだと、より一層、生きていくうえで根幹になります。健康であって初めて自分らしく人生を楽しめる、やりたいことも好きなようにやれる、なんなら文句のひとつだって言えるのだと思います。