ダイエットのため、一時的に「水分を抜いて」体重を減らそうとしたことのある人もいるのではないでしょうか。しかし、肥満解消と脂肪肝・糖尿病改善のための専門外来「スマート外来」担当医の尾形哲氏は、「脂肪が多い人は『水分量が少ない』」と警告します。同氏の著書『専門医が教える 1分で肝臓から脂肪が落ちる食べ方決定版』(KADOKAWA)より、脂肪を減らすための水分のとり方をみていきましょう。
脂肪が多い人は「水分量」が少ない
減量のためには食事を制限したり、運動をしたりしなければならず、「なんだか大変そう……」と思いがちですが、ガマンせず、お金もかからず、効率よく代謝を促して、脂肪を落とす方法があります。それが、「1日1.5Lの水を飲む」ことです。
私たちの体の55~60%は水分が占めています。血流の多い肝臓にはさらに多くの水分が含まれています。しかし、脂肪組織の水分含有率は33%程度。つまり、体に脂肪が増えると水分含有率が減っている状態に。脂肪が多い人はやせている人よりも水分量が少ないのです。これと同様のことが肝臓でも起きます。
水を「1日1.5L」飲むだけで体が変わる
忙しくて水分を摂取する時間がない、水を飲んだら太りそうという理由で水分摂取量が少ないと、体は脱水状態となり、代謝機能が低下します。結果、エネルギーを消費しにくい“太りやすい体質”になってしまいます。
だから、毎日1.5Lの水分をとる習慣を身につけてほしいのです。
成人は1日で平均、尿や便から1.6L、呼吸や汗から0.9Lの合計2.5Lほどの水分を失います※1。一方で、食事から約1.0Lの水分を摂取でき、体内で作られる水が300mlほどあります。つまり、摂取すべき必要最低限の水分量は1.2L。
しかし、やせるためには1.5Lを基準にするのが理想です。というのも、水を飲むことで一時的に代謝率が上昇し、エネルギー消費が増加することが科学的に証明されているから。さらに、腸の動きも活発になるため、便秘の改善にもつながります。排泄機能が高まれば、やせやすくなるのは当然のことです。
ただし、同じ水分だからといってジュースやスポーツドリンクなどは絶対にNG。余計な糖分を摂取して太るだけです。