ダイエットのため、一時的に「水分を抜いて」体重を減らそうとしたことのある人もいるのではないでしょうか。しかし、肥満解消と脂肪肝・糖尿病改善のための専門外来「スマート外来」担当医の尾形哲氏は、「脂肪が多い人は『水分量が少ない』」と警告します。同氏の著書『専門医が教える 1分で肝臓から脂肪が落ちる食べ方決定版』(KADOKAWA)より、脂肪を減らすための水分のとり方をみていきましょう。
「食事の前にコップ1杯の水」で、脂肪が蓄積しにくい体に
やせる水の飲み方のポイントは“水を食前にコップ1杯飲む”こと。この方法を「水分プレローディング」と呼んでいます。プレとは「事前」、ローディングとは「補給」を意味し、「水分を事前に補給する=食前に水を飲むこと」になります。
体内の塩分濃度が上がると、体は水分不足で飢餓状態と認識し、脂肪をため込もうとする生体システムが自動的に働きます※2。だから、食事によって塩分濃度を上げすぎないように水を飲んでおけば、余計な脂肪の蓄積も防げます。
しかも、食前に水を飲めば満腹感が早まるので、食事量を減らす効果も期待できます。なお、冷水は胃腸を冷やして消化・吸収を妨げやすいので、常温か白湯で飲むことをおすすめします。
水分プレローディングの効果
■満足感を得やすい
食前に水分を摂取することで、満腹感が早く訪れます。食事量が自然に減って※3、食べすぎを防ぎやすくなります。
■間食が減る
水を事前に飲むことで食事の満足度が高まり、次の食事までの間食を減らしやすいという報告※4があります。
■エネルギー消費を増やせる
水を飲むと一時的に代謝効率が上がり、エネルギー消費が増加※5。食べても、太りにくい体質に変わっていきます。