ダイエットのため、一時的に「水分を抜いて」体重を減らそうとしたことのある人もいるのではないでしょうか。しかし、肥満解消と脂肪肝・糖尿病改善のための専門外来「スマート外来」担当医の尾形哲氏は、「脂肪が多い人は『水分量が少ない』」と警告します。同氏の著書『専門医が教える 1分で肝臓から脂肪が落ちる食べ方決定版』(KADOKAWA)より、脂肪を減らすための水分のとり方をみていきましょう。
こまめな摂取が脂肪を減らすコツ
水の飲み方ですが、一気に大量に飲んでも効果は上がりません。こまめな摂取が大切です。ちょこちょこ体を潤すことが、絶え間なく代謝を促して体のアブラを燃やす重要なカギ。
起床後にコップ1杯、午前中に500mlを数回に分けて飲み、午後に500mlを数回に分けて飲み、入浴の前後にコップ1.5杯の水を飲むようにすると、習慣にしやすいでしょう。
お気に入りのボトルで水分量を「見える化」し、摂取不足を防ぐ
コップに水を注いでそのつど飲んでいると、1日にどれだけの水を飲んだか把握しにくいものです。起床後など、1日の始まりのタイミングで目盛り付きのボトルに水を入れ、飲む水の量を見える化するのが摂取不足を防ぐポイント。
最近は分量だけでなく時間まで目盛りに示して、飲むタイミングも意識できるボトルも販売されています。便利なボトルを、減量生活の相棒にしてみては。
【体験者の声】
お気に入りのボトルに入れて携帯し、いつでも体を潤す F.M.さん(44歳)
500ml入りの水ボトルを活用し、1日3本分を飲んでいます。デザインも気に入っていて、外出時にそのまま持ち出せるのが便利。今やスマホと同様に、手放せない存在になっています。
尾形 哲
長野県佐久市立国保浅間総合病院
外科部長/「スマート外来」担当医
※本連載は、尾形哲氏の著書『専門医が教える 1分で肝臓から脂肪が落ちる食べ方決定版』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集したものです。
〈出典〉
※1 環境省「熱中症環境保健マニュアル(2022)」
※2 Natalia Rakova, et al.(2017). Increased Salt Consumption Induces Body Weight Loss by Changing Energy Expenditure through Insulin and Glucocorticoid Signaling. Journal of Clinical Investigation. 127
※3 Elizabeth A Dennis., et al. (2010). Water consumption increases weight loss during a hypocaloric diet intervention in middle-aged and older adults. Obesity( Silver Spring).18(2):300-7.
※4 Barbra J. Rolls, et al. (1999). Water incorporated into a food but not served with a food decreases energy intake in lean women. The American Journal of Clinical Nutrition. 70(4):448-55.
※5 Michael Boschmann., et al.( 2002). Water-induced thermogenesis. Clin Endocrinol Metab. 88(12):6016-9.