「定年後はのんびりしたい」はなぜいけないのか

「で、定年後どうする予定ですか」

定年が見えてきた40代・50代の本音の話をリサーチしてみました。社員研修で毎年数百人に出会うので、その都度問いかけます。統計までは取っていませんので、あくまで肌感覚です。大半はこう答えます。

・とにかくゆっくりしたい。これだけ働いてきたんだから自分にご褒美。

・しばらくのんびりして、それから考える。ひとまず、ゆっくりさせてー。

・体力に自信がなくてね。ボチボチでいいかな。もう働きたくない。

・旅行したかったけれど長期休暇が取れない職場だったので、船で世界一周へ。

・田舎に移住。ポツンと一軒家を買って、農業をして憧れの自給自足をしたい。

・実は夫の定年とともに離婚。ですね。あ、これ、内緒ですよ。

そして1〜2割の人は、こうです。「働きますよ」。その理由は、

1.生活給のため(年金が少ない。年金の補填)

2.仕事が好きだから(「自称マグロ」止まると死ぬ回遊魚だと自虐する人も)

3.働いていたほうが楽だから(お金以外に働くことで得られることがある)

4.家族が(とくに妻が、家にいてもらうと困るので)働いてと望むから

など。ほかには、親の介護があるから介護に専念する人もいて、しかも「どうせ介護するのなら、介護の仕事に就くと介護技術を覚えられるので一石二鳥」という合理的な発想の人もいます。

会社から続けて働いてほしいと再雇用を打診されたり、知り合いの会社からオファーがあったり、人材紹介会社経由のうれしい話があったりなど、表向きは嫌々働き続けるポーズを取っていても、結局は「仕事が好き」。求めてくれる職場があって好きを続けられるのは、大変ではあってもうれしいことですよね。

結論をいうと、「定年のブランクをつくらず、速攻で仕事をしましょう」です。だから、のんびりとか、ゆっくりとか、病気療養や家族の事情がある以外はおすすめできません。

その理由を5つのパターンで説明します。