家族の死後、知られざる「衝撃事実」が発覚することがあります。特に相続が絡んでくると、事態が深刻になることも珍しくありません。「知らなかった」では済されない相続の現実と、急増する「相続放棄」の背景についてみていきましょう。
もう赤の他人なので…義実家をあとにした52歳嫁、怒り心頭の78歳義母が知る「衝撃事実」 (※写真はイメージです/PIXTA)

結婚25年…余命宣告の夫から仰天告白

小野陽子さん(52歳・仮名)です。2年前、当時55歳だった夫・隆さん(享年55歳・仮名)と離婚しました。結婚生活25年目での決断でした。当時、すでに夫婦関係は冷え切り、将来的に離婚もありうると漠然と考えていたといいます。

 

そのようなとき、2つの衝撃的事実が発覚します。まず、隆さんの余命宣告。健康診断で異常が見つかり、精密検査を受けたところ進行性のがんが発覚し、余命半年から1年だというのです。そんな夫から、さらに衝撃的な告白を受けます。

 

「もう10年ほど交際している人がいるといわれたんです。開いた口が塞がらなかったですよ」

 

陽子さんとは離婚して、死ぬときは好きな人と……そういう目論見だったようです。子どもはすでに独立していたため、離婚話はスムーズに進み、慰謝料300万円で決着したそうです。しかし、話はそこで終わりませんでした。

 

「結局、振られたらしいです。『もうすぐ死んでしまう人と結婚はできない』と。本当、笑えますね」

 

その後、絶望の淵にいた隆さんを支えたのは、陽子さんだったといいます。「もう、他人でしたし、期限が見えていましたし、私も未練は残したくなかったので」と、その理由を話します。

 

また、隆さんを支えたもうひとつの理由は、離婚の事実を公表していなかった点です。これは隆さんの意向が強かったといいます。

 

「高齢の両親に心配をかけたくないと。確かに、余命宣告を受けたうえに、離婚までしたと言ったら、心臓が止まってしまうかもしれません。私としては義実家とはうまくいってなかったので、『もう関係ありません』と言いたかったのですが(笑)」

 

こうして隆さんを看取った陽子さん。ひと悶着は、葬儀のあとに起こります。相続の話になった際に離婚の事実を打ち明けたといいますが、78歳になる義母からは罵詈雑言を浴びせられたといいます。

 

「事実をありのまま伝えたのですが、『離婚原因はお前にあるはずだ』『鬼畜!』『出て行け!』と。こちらも『もう、あなたとは赤の他人なので』と啖呵を切って義実家を出ていきましたよ」

 

あらぬことを言われて、ストレスが溜まっただろうと思いきや、そのあとの相続の展開を想像すると、笑いが止まらないといいます。

 

「元夫には借金があって。愛人に結構つぎ込んでいたみたいなんです。さらに私に慰謝料まで払っているので。お給料でコツコツと返済していたみたいですが、結構残っているはず。ビックリしていたんじゃないでしょうか、お義父さん、お義母さんは」