親の「大丈夫」という言葉。それを信じた結果、深い後悔を抱えてしまうケースは少なくありません。なぜ、このような親子の「すれ違い」は起きてしまうのでしょうか。
悔やんでます…75歳母の葬儀で大号泣。電話口、母の「大丈夫」を信じた49歳娘の「まさかの顛末」 (※写真はイメージです/PIXTA)

親子の「すれ違い」を防ぐために…高齢の親とどう向き合うか

親はいつまでも親。子どもに心配かけまいと、気丈に振る舞う……佐藤さん親子のようなケースは、決して珍しいことではありません。

 

年齢は異なりますが、こんな調査結果があります。スマートスキャン株式会社が25歳~29歳の社会人の子をもつ親を対象に『親としての自身の健康に関する調査』を行ったところ、「自身がもし病気になった場合、その後についてどのように考えているか」の問いに対して、最も多かったのが「子や孫に迷惑がかからないよう、配偶者に相談して治療していく」(42.7%)。「誰にも迷惑がかからないよう、自身の判断で治療していく」(33.8%)が続きました。「子に相談する」はわずか7.8%。美紀さんは後悔でいっぱいですが、「子に心配をかけたくない」というのが親心。仕方がない結果だったといえるでしょう。

 

また子としては、年老いていく親を心配することが多くなっていきますが、離れて暮らしていると、なかなかコミュニケーションが難しいもの。株式会社ルリアンが行った『相続・終活に関する全国調査 2025』によると、父親への連絡頻度は、週1回以上33.2%、2週間に1回以上 8.0%、月1回以上 13.9%。母親は、週1回以上 41.8%、2週間に1回以上9.4%、月1回以上 15.5%でした。連絡するのが父親か、母親かで連絡頻度に差はあるものの、「週1回」が最多。一方で1割程度は「月1回」の連絡に留まります。

 

このようなコミュニケーション頻度で、親の細かな変化を察するのは難しいことだといえるでしょう。 大切な人との別れには、多かれ少なかれ、後悔はつきもの。万一のときに、大きな後悔を残さないよう、親孝行を心がけることが最善の方法だといえそうです。

 

[参考資料]

スマートスキャン株式会社『親としての自身の健康に関する調査』

株式会社ルリアン『相続・終活に関する全国調査 2025』