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依然として大きい母親の負担、6割の家庭で「ママが7割以上」
株式会社カラダノートが子育て中の男女1,046名を対象に『共育て実態調査(2025年)』を実施しました。
まず、家庭内での家事・育児の分担状況を尋ねたところ、最も多かった回答は「ママ7割:パパ3割」で24.2%、次いで「ママ8割:パパ2割」が20%、「ママ9割:パパ1割」が19.5%と続きました。これらを合計すると、全体の約6割にあたる家庭で、母親が家事・育児の7割以上を担っているという実態が明らかになりました。
夫婦が半分ずつを担う「ママ5割:パパ5割」という回答は14.4%にとどまり、父親の分担割合が母親を上回る「ママ4割以下」の家庭は、合計しても1割に満たない結果となっています。男性の育休取得率は向上しているものの、実際の家庭運営においては、依然として女性に負担が偏る構造が根強く残っていることがうかがえます。
それでは、こうした分担状況の中で、家庭内で「共に子育てをしている」という実感はどの程度持たれているのでしょうか。同調査では、「共育ての実感はありますか」という問いに対し、「とてもある」(20%)、「かなりある」(27%)、「ややある」(27%)と、合計で74%の人が何らかの共育て実感を持っていると回答しました。多くの家庭で、協力して子育てに取り組む意識が醸成されつつあることが示されています。
しかしその一方で、「あまりない」(8%)、「ほとんどない」(6%)、「全くない」(3%)と回答した人も合計で17%存在し、共育ての実感を得られていない家庭も決して少なくないことがわかります。
この「実感の有無」を分けているものは何なのでしょうか。調査では、それぞれの理由についても尋ねています。
共育て実感が「ある」と回答した家庭では、その理由として「配偶者/パートナーと子育てについて会話・相談できている」(81%)が圧倒的なトップでした。次いで「家庭での意思決定が一緒にできている」(53%)、「配偶者/パートナーや家族から労いや感謝の言葉がある」(52%)が挙げられています。分担の公平さ(30%)よりも、日常的なコミュニケーションや精神的な支え合いが、共育ての実感を強く形成している様子が見て取れます。
対照的に、共育て実感が「ない」と回答した家庭の理由は、「育児や家事の負担が自分に偏っている」(61%)が最多となりました。そして、「感謝や承認の言葉が少ない」(41%)、「配偶者/パートナーと子育てについて話せる時間が少ない」(35%)が続きます。物理的な負担の偏りに加え、コミュニケーション不足や感謝の欠如が、共育てからの疎外感につながっている傾向が明確になりました。