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親の「知られたくない資産」が、子の「心の重荷」に変わるとき
親が亡くなったあと、まったく知らなかったプラスの資産を見つけるも、喜びよりも戸惑いや疑念を抱いてしまうケース。背景にあるのは、多くの家庭で、親子間の資産に関するコミュニケーションが不足しているという現実です。
株式会社終活のまどぐちが親を亡くした経験がある40代~60代の男女を対象に行った『親の死後、困ったことに関する調査』によると、「親の死後に困ったことがあった」と回答したのは46.2%と、半数弱が困難に遭遇。その内容として最多だったのは「相続手続き」で28.1%。「遺品整理」(24.2%)、「財産の整理」(19.6%)、「葬儀や墓地」(13.7%)と続きました。直面した困難に対して、「生前の準備次第で防げたこと」と41.8%が回答。「元気なうちに、きちんと話しておけば……」と後悔するケースが多いことがわかります。
もちろん、プライベートな話であるため、資産について話したがらない親の気持ちも理解できます。しかし、浩一さんの事例のように、遺言書もなく、成り立ちのわからない大金が突然出てきた場合、残された家族は様々な問題に直面します。税務調査の際に資金の出所を説明できず、困難な状況に陥るリスクもそのひとつです。
大切なのは、資産の額を伝えることだけではありません。「なぜこの資産があるのか」という背景(退職金を元手に長年運用してきた、苦労して貯めてきたなど)や、そこに込められた「家族への想い」を共有しておくこと。それこそが、残された家族を不安や疑念から守る、なによりの「終活」といえるのではないでしょうか。
[参考資料]