延々話し続ける、理詰めする、金品を要求するなど、悪質なクレーマーにもさまざまなタイプが存在し、それぞれによって異なる対処法があります。本記事では、尾形圭子氏の著書『ソツのない受け答えからクレーム対応まで[新版] 一生使える「電話のマナー」』(大和出版)より、クレーマータイプ別の電話応対を紹介します。
「誠意をみせろ」「他社では×万円くれた」…〈金品せしめタイプ〉の悪質クレーマーに“一人で”戦ったオペレーターの末路【マナー講師が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

金品を要求する悪質なクレーマーには時間をかけて対応する

金品要求タイプ

〈基本〉

(1)悪質クレーマーかどうかを見極める

※「誠意を見せろ」「説明だけで終わりか」「他社では×万円くれた」などに要注意

 

(2)即答しないで確認の時間をつくる

「私では判断しかねますので、お時間をいただければと存じます」

「ご事情は承知いたしました。少し確認のお時間をいただけませんでしょうか?」

 

(3)こじれそうになったら組織全体で対応する

 

クレーム電話のなかには、言いがかりをつけて金品をせしめようという悪質なものもあります。クレーム全体からみれば、ごくわずかですが、担当者が受けるストレスは非常に大きいでしょう。

 

こうした悪質クレーマーは、さまざまな手口をつかってワナを仕掛けてきます。いきなり怒鳴り声を張り上げてパニックに陥れたり、紳士然とした口調でじわじわと攻めてきたり、あるいは善良な市民を装い、情に訴えてきたりするのです。このような海千山千に対抗するのは容易なことではありませんが、あくまで毅然とした態度で臨むのが基本です。

 

そのためには、まず相手の正体を見極めなければなりません。「誠意を見せろ」「説明だけで終わりか?」「他社では×万円くれた」などという言葉が出てきたら警戒します。また、相手の要求に対して即答しないことが大切です。事実確認の時間を十分にとって、その間に対策を練ります。

 

そして、こじれそうになったら組織全体で対応します。自分だけで対応しようとするのではなく、エスカレーション対応に移行しましょう。

 

●その場でまるく収めようとすれば、最悪の事態に陥る

 

 

尾形 圭子

株式会社ヒューマンディスカバリー 代表取締役