なんとかクレームを収めたと思っても、少しのきっかけでお客様の怒りが再燃してしまう場合があります。マニュアルに準じて対処したものの、クレーム対応時には「NGワード」となる表現も。尾形圭子氏の著書『ソツのない受け答えからクレーム対応まで[新版] 一生使える「電話のマナー」』(大和出版)より、クレーム対応時の言葉遣いについて解説します。
余計な一言だったとは…クレーム客の怒りが再燃してしまう、意外な〈NGワード〉【マナー講師が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

クレーム客をお得意様にするのは「大切にされているとわかる“お礼の一言”」

〈基本〉

※再度のお詫びと感謝の言葉に続けて

「今後、なにかございましたら、私〇〇までご連絡いただければと思います」

 

〈応用〉

※後日、あらためてお客様に電話をかけて

「先日はたいへん申し訳ございませんでした。新しい商品をお送りさせていただきましたが、お手元に届きましたでしょうか?」

 

お客様にこちらの提案を受け入れていただければ、一件落着です。しかし、クレーム電話対応は、ここで終わったわけではありません。再度のお詫びと感謝の言葉が必要です。

 

「このたびは、たいへんご迷惑をおかけして誠に申し訳ございません。わざわざお電話をいただきましてありがとうございます」などと、心を込めて述べます。

 

そして、今後もご意見をお願いしたい旨を伝えます。ところが、ここできちんと挨拶できる人は決して多くありません。「貴重なご意見をありがとうございました。今後ともどうぞ宜しくお願いいたします」では、あまりにマニュアル的です。

 

そこで、「今後、なにかございましたら、私〇〇までご連絡いただければと思います」といった言い方で、お客様に満足感を覚えていただきます。お客様に一対一で向き合っていることを印象づけるのがポイントです。

 

さらに後日、あなたからお客様に電話をかけて、「その後」の様子を尋ねれば完璧です。ここまで心配りができる人はまれですが、たった1本、1〜2分の挨拶で好感度は一気に跳ね上がります。こんなチャンスを逃すのは惜しいと思いませんか?

 

●お客様は大勢いても、お客様にとって「あなた」はひとりだけ

 

 

尾形 圭子

株式会社ヒューマンディスカバリー 代表取締役