人生100年時代のちょうど半分を過ぎた50代は、キャリアの終盤戦に入り、プライベートでも子育てがひと段落するなど、これまでの頑張りが実り、ようやくひと息つける時期。しかし、「体力が落ち、やる気が出ない」「役職定年になり、いままでの居場所を失う」などネガティブな変化も多く、将来への不安が増大しやすい年代でもあります。本記事では、竹本和広氏の著書『自分らしく生きる定年後の仕事 50代の働き方は「複業」で変わる!』(ごきげんビジネス出版)より、50代で迎える転機について解説します。
お恥ずかしい限りです…勤続29年の通信会社で54歳執行役員が「懲戒処分」、人事システムを見たら〈5階級降格〉の衝撃。どん底で生まれて初めて考えた「意外なこと」 (※写真はイメージです/PIXTA)

54歳の「降格」で、初めて自分の人生を真剣に考えた

私の転機は「降格」でした。2019年5月、54歳のときに勤めていた会社から懲戒処分を受けました。自業自得です。

 

ここでは私が受けた処分内容だけを書きます。懲戒処分の内容は出勤停止10日間。そのほかに受けた処分や制裁は、出向解除、自宅待機、降格、追出し部屋のような経験、など。「出勤停止より降格のほうが重い処分なのに、なんで?」と思うかもしれませんね。私は人事の専門家ではなく、詳しくはわかっていません。もうおわったことです。深く考えないようにしています。

 

つらかった制裁から解放され、人事部から懲戒処分通知書を受領したとき、社内の人事システムにアクセスしたところ、すでに5等級も降級になっていました。降級・降格になるときは、誰も説明などしてくれないものですね……。会社に迷惑をかけた私は処分や制裁を受け、いざというときの会社の厳しさを思い知りました。ここでは到底書けない、つらかったことや悔しかったことを多く経験しました。

 

転機をキッカケに、初めて自分の人生を真剣に考えるようになったのです。54歳にもなってお恥ずかしい限りです……。

 

「このまま会社員を続けるべきか……」何度も何度も自問自答しました。その結果、転機から約1年半後の2021年3月末、実働29年間勤務した某通信会社を退職したのです。

 

 

竹本 和広

セカンドキャリアコーチ

株式会社ライフシフトラボ 複業トレーナー

 

※本記事は『自分らしく生きる定年後の仕事 50代の働き方は「複業」で変わる!』(ごきげんビジネス出版)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。