学生時代からシニアにいたるまで、我々の人生にはさまざまな「お金の問題」がつきものです。その負担を軽減するための助成金や制度が国には用意されているものの、「申請しないと受け取れないお金」も少なくありません。今回は、社会保険労務士である河原優美子氏の著書『知らないと損する!お金の手続き 年金・社会保険・介護で困らない制度』(ごきげんビジネス出版)より、55歳女性の例から、申請しないと受け取れないお金をみていきます。
知らなかった…55歳女性、「年金定期便」に疑問点。年金事務所で問い合わせ→告げられた「驚愕事実」を80歳母に確認して、さらなる驚愕【社労士が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

急な退職でもらえる「失業給付」

40歳になったころには子どもが2人となり、毎日バタバタしていましたね。育児も、家事も、夫とふたりで協力していました。子どもの学校行事への参加、急な病気のときなどはすぐ休めないし、退職しようか悩んでいた時期です。退職すると雇用保険から基本手当がもらえますよね。

 

《ポイント:失業給付》

〇雇用保険から失業給付(基本手当)がもらえる。

〇働いた年数によってもらえる日数が違う。

 

資格を取るための勉強費用に充てられる給付金

退職後でも、資格を取るためなどの勉強費用の一部を出してもらえる教育訓練給付金もあるそうです。私は育児休業中に資格を取るため使用しました!

 

《ポイント:教育訓練給付金》

〇資格などを取るために受講料など費用の一部を補助してくれる。

 

会社員を退職…配偶者の扶養になることで保険料を抑える

退職した場合、配偶者の扶養になると国民年金の保険料や健康保険料を払わなくていいようですね。

 

《ポイント:配偶者の扶養になった場合》

〇国民年金第3号被保険者になる。

40代、先の不安「介護」を考えはじめる

いろいろと考えた末、45歳になったとき資格を取り、個人事業主(フリーランス)になりました。子育てや介護のことを考えると、自由な時間が増えると思ったからです。私の母は祖父母の介護をひとりでしていました。そんな姿を見ていたので、これからの介護を考えていく必要があると感じていたのです。

 

子育ては夫にも協力してもらわないと大変なときもありました。子どもは突発的な病気もあります。先輩の話を聞いていたので、だいたい予測ができることも多く、おおよそ検討はついてきました。しかし介護は先が見通せないともいわれていますよね。また、夫が会社を休んだ場合は給料が減ってしまい、家計が苦しくなります。

 

《ポイント:介護休業制度・介護休暇制度》

〇通算93日間休みを取ることができる(条件あり)。

〇会社を休んだ日に対して雇用保険から支給される。

〇介護休暇制度は1年間に5日、付き添いなどで休みが取れる制度。