マイソクが作成される手順とポイント
マイソクは一般的に不動産会社によって作成されるため、個人投資家が直接的にマイソク製作に関与することは基本的にありません。しかし、マイソクの質は不動産の売却活動や賃貸募集の成果に直結するため、その作成プロセスを理解しておくことは非常に有益です。
ここでは、マイソクが作成される手順や、作成時に重視されるポイントについて解説します。
テンプレートを活用する
マイソクを作成する際には、既存のテンプレートを活用することが一般的です。
多くの不動産会社では、国土交通大臣が指定した公益法人である「不動産流通機構(レインズ)」などから標準的なマイソクのテンプレートを入手し、会社ごとにカスタマイズを加えています。
物件の外観・内装の写真を撮る
前述した通り、マイソクに掲載する写真は、物件の第一印象を左右する非常に大切な要素です。特に投資用不動産の売買においては、「この物件であれば借り手がつきそうだ」と購入検討者に感じさせることが購入の決め手になることもあるため、外観や内装を魅力的に見せる工夫が欠かせません。
また、広さや開放感が伝わるように、広角レンズの使用やライティングも工夫されます。時間帯や天候によっても物件の印象は大きく変わるため、最も魅力的に見えるタイミングで撮影されることが一般的です。
プロのカメラマンを起用する業者もおり、写真の質によってさらに物件の価値が高く見えるように工夫されています。
物件の情報を記載する
マイソクに記載する物件情報は、誤りのないよう細心の注意を払って入力することが求められます。
具体的には、所在地、地番、登記簿上の面積、建物構造、築年数、間取り、設備、交通アクセスなど、多岐にわたる情報を正確に記載しなければなりません。これらの情報は、登記簿謄本や建築確認申請図面、測量図などの公的な資料を参考にしながら、慎重に入力されます。
万が一、事実と異なる情報が記載されていた場合、消費者からの信頼を失うだけでなく、「不動産の表示に関する公正競争規約」に違反し、法的な問題に発展する可能性もあります。
投資物件の場合、利回りや賃料収入などの数字も重要な判断材料となるため、根拠に基づいた正確な数値を明記することが求められます。
物件の取引条件・アピールポイントを目立つように配置する
マイソクは、単なる情報提供のツールではなく、物件の魅力を最大限に引き出し、購入意欲を高めるための営業資料です。そのため、物件の取引条件やアピールポイントは、特に目立つように配置する工夫が求められます。
例えば、「価格改定」「利回り〇%以上」「駅徒歩〇分」「リノベーション済み」といった、購入検討者の目を引くような条件や利点は、マイソクの冒頭や上部、あるいは太字で強調するなど、視覚的に訴えかける工夫がなされます。
第一印象で強みが伝わるようにすることで、物件に対する関心を高め、問い合わせや内見につながりやすくなります。情報の配置やデザインにも配慮しながら、物件の持つ魅力を最大限に引き出すことが、効果的なマイソク作成のポイントといえるでしょう。
