巨大地震が何度も起きた南海トラフの構造

2011年3月11日に起きた東日本大震災は、観測史上最大のマグニチュード9.0を記録した。この大震災を超える地震規模になると考えられているのが、南海トラフ地震だ。

南海トラフとは、静岡県沖から四国沖の海底に広がる溝のことである。

海底の溝は水深6,000メートル以上は海溝、それより浅いと「家畜用の桶」を意味するトラフと呼ばれる。

なぜ溝ができるのか? それはプレートが沈み込んでいるからだとされる。

南海トラフの場合は、フィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込んで形成されているとみられる。フィリピン海プレートが沈み込めば沈み込むほど、ユーラシアプレートも引きずり込まれていく。このひずみが解放されることで、南海トラフ地震が起きると考えられる。

南海トラフ地震が警戒されているのは、一定周期で発生が記録されているからだ。

最初の記録は天武天皇13(684)年の白鳳(はくほう)地震、次の記録は仁和(にんな)3(887)年の仁和地震だ。そこから1096年、1361年、1498年と、120年から200年のスパンで発生している。その全てが、津波や強い揺れをともなう大地震だった。

最も新しい巨大地震は、1946年12月21日の昭和南海地震である。紀伊半島沖から四国を震源域とするマグニチュード8.0の地震と津波被害で、1,400名あまりが犠牲となった。