葬儀に現れた“謎の女性”に会場騒然

地域では有名な地主で資産家の大倉家。その当主であったミチオさん(仮名)が79歳で逝去しました。家族は妻と子(娘・息子)が2人。子どもはすでに結婚して家を出ています。

遺産は、現預金と有価証券が約5,000万円、不動産(自宅と賃貸用アパート)が約1億5,000万円の総額2億円でした。

ミチオさんは自宅で倒れ入院するも、2ヵ月後に他界。もともと家族仲が良好だったこともあり、心の準備はできていても、通夜、葬儀ではみな涙を流しミチオさんの死を悼みました。

しかし、感傷に浸る間もなく、大倉家は遺産分割の話し合いをする必要がありました。長男が赴任先の海外から葬儀のために帰郷しており、数日後には戻らなければならなかったからです。

家族は葬儀後すぐに遺産分割協議をすることで合意していました。とはいっても、ミチオさんは遺言書をのこしており特に心配はありません。

ところが……。

私にも遺産をもらう権利があるはずですよね…自称・娘の主張

葬儀も終わりに近づいたころ、突如「わたし、ミチオさんの娘です」と名乗る30代くらいの女性が現れたのです。家族、親戚はあっけにとられます。

特にミチオさんの妻は「あなた、だれ……?」と震える声でつぶやきます。

自称・娘は、戸籍謄本を手に「30数年前、わたしの母とミチオさんは2年間お付き合いをしていました。私はミチオさんの娘です。だから私にも遺産をもらう権利があるはずですよね」と主張したのです。

葬儀会場は一気に騒然となりました。