(※写真はイメージです/PIXTA)
ご機嫌モードで本音を語ってくれる「令嬢インタビュー」メソッド
ユーザーインタビューの準備は、「質問を考えること」が大切だと思われがちですが、実は、「何を聞くか?」よりも、「どう接するか?」のほうが重要です。
では、具体的にどうすれば、「気分よく自然と本音を語ってもらえる」インタビューができるのか?その準備と心持ちとしてどんなことが必要か。女性ユーザー1万人以上に取材をしてきた経験から、成功のポイントを紹介します。
女性にインタビューをするときは、ただ質問を投げかけるのではなく、「あなたは特別な存在です」という雰囲気をつくることがまず大切です。私はこれを「令嬢インタビュー」と呼んでいます。まるで上品な令嬢に話を聞くように、丁寧に、敬意を持って。でも、決してへりくだりすぎず、フランクさも忘れない。
このバランスを意識することで、女性は「私を大切にしてくれている」「私の話を本気で聞いてくれている!」と感じ、心を開いてくれるのです。
まず前提として理解しておきたいのが、ユーザーインタビューを受ける方は、「ブランドから選ばれた!」という気持ちで来てくれています。せっかく声をかけてもらったから、「今日はちょっとおしゃれして行こう」なんて思ってきてくれたかもしれません。
「どんなことを聞かれるんだろう?」(ワクワク)
「私の意見って本当に役に立つのかな?」(ちょっと心配)
「ブランドにとって私の声が大事なんて、うれしい!」(高揚感)
そんなふうに、少しの緊張とワクワク感が入り混じった気持ちで来てくれているのを、忘れないようにしたいですね。なので、ユーザーにとってもインタビューは特別なものなのです。
いい話を聞くには「どんな空気をつくるか?」から―メソッド1
初対面で緊張している女性とのインタビューでは、まずは安心してリラックスしてもらうことが、すべての出発点になります。
では、どうすれば〝女性にとって心地よい空気〞をつくることができるのでしょうか?「本音が自然とあふれ出す」ようなインタビューにするための、空気づくりのヒントをご紹介します。
インタビューの場も、女性が心地よく過ごせる空間で
せっかく特別な気持ちで足を運んでいただくのだから、インタビューの場も、できるだけ〝気分が上がる空間〞を用意したいものです。
たとえば、無機質なオフィスの会議室よりも、少し開放感のあるラウンジのような場所だったら、自然と肩の力が抜けて、会話も弾みやすくなりますよね。空間も、言葉と同じように〝気持ちを動かす要素のひとつ〞。だからこそ、「どこで話すか」も大切なインタビュー設計の一部だと考えています。
たとえば、次のような場を用意します。
・窓から自然光が差し込む、明るく開放感のある場所を選ぶ。
・観葉植物やお花がある、ほっとできる雰囲気の空間を用意する。
・ペットボトルのお茶ではなく、スタバのコーヒーやハーブティーを添える。
そんなちょっとした工夫だけでも、インタビューの空気はグッと和らぎます。決して、特別なセットや豪華な演出が必要なわけではありません。大切なのは「この時間を心地よく過ごしてほしい」という、ささやかな気持ちが伝わること。小さな気配りが、女性の心の扉を自然と開いてくれるのです。