幅広い年齢層の女性に愛される商品をつくりたい、と考える人は少なくありません。その際重要なのはそれぞれの年齢層のニーズを正確に把握することです。必ずしも「その年代らしく見えたい」とは限りません。具体的な実例を確認してみましょう。本記事では、「Popteen」「NIKITA」「ar」「SCawaii!」「Ray」などで16年にわたり女性誌編集を手掛けた橋本夏子氏の著書『女性に売れる言葉とデザイン』(フォレスト出版)より一部抜粋・再編集し、幅広い年代の女性に愛されるデザインのコツについて解説いたします。
50代に買ってもらいたいなら「20代後半の女性」をイメージする?…幅広い世代にモノを買ってもらうための「魔法のルール」とは【編集のプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

ちょうどいい年齢のラインは?

「うちの商品、20代から50代まで幅広く買ってもらいたいんです」

 

女性向けの商品やサービスの現場では、こんなご相談をいただくことがよくあります。そのとき、必ずと言っていいほど悩まれるのが、「どの世代にデザインを合わせればいいのか?」という点。「若すぎると子どもっぽい」「落ち着かせすぎると老けた印象になる」……そんな悩みがつきものです。

 

そんなとき、私がおすすめしているのが、「20代後半の女性をイメージしてデザインを組み立てる」という方法です。なぜなら、「20代後半の女性に似合うデザイン感は、「50代にとっては老けて見えない」「20代にとっては子どもっぽくない」ちょうどいいラインだからです(図1)。

 

出所:『女性に売れる言葉とデザイン』
[図1]年代別「20代後半向けデザイン」の感じ方 出所:『女性に売れる言葉とデザイン』

 

・20代にとっては、ちょっと大人っぽくて洗練された憧れのデザイン。

 

・50代にとっては、華やかさがありつつ若々しさを感じられるデザイン。

 

つまり、「20代後半をイメージしたデザイン」にすることで、若い世代には〝上品で素敵〞に映り、上の世代には〝気分が上がる〞と感じさせることができるのです。

 

ついやってしまいがちなNGパターン

こんなデザイン、思い当たる方もいるのではないでしょうか?

 

・「50代向け」になりすぎたデザイン

→ グレー基調で装飾もなく、全体が落ち着きすぎてしまった印象に。「品はあるけれど、ちょっと老けて見えるかも……」

 

・「20代向け」に寄りすぎたデザイン

→ ピンクを多用し、丸文字や手書きフォントを使ったガーリーなテイスト。「かわいいけど、少し子どもっぽく見える……」