女性の心に働きかけるコンテンツを作るには、女性ならではの感性に寄り添うことが必要です。「なりたい自分像」で憧れや共感を呼んだり、記憶に残る言葉づかいを選んだりとテクニックは身近な女性誌にも数多く散りばめられています。本記事では、「Popteen」「NIKITA」「ar」「SCawaii!」「Ray」などで 16 年にわたり女性誌編集を手掛けた橋本夏子氏の著書『女性に売れる言葉とデザイン』(フォレスト出版)より一部抜粋・再編集し、女性誌に見られる女性の心を掴む言葉の作り方について解説します。
ヒット商品に欠かせないのは「記憶に残るネーミング」…『Popteen』『NIKITA』数々の有名雑誌を手掛けたプロが語る「女性の心に響くコンテンツ作り」のコツ (※写真はイメージです/PIXTA)

女性誌には女性に響く言葉とデザインが詰まっている

女性誌の世界でも、〝売れる・売れない〞を左右する企画タイトルづくりのメソッドから解説します。雑誌の企画タイトルと聞いて、「雑誌をつくるわけじゃないから関係ない」「うちのビジネスは違う」と思われる方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれません。でも、そう感じた方にこそ、一度ターゲットとなる女性が読む雑誌を手に取ってみてほしいのです。

 

実は女性誌には、女性の購買心理や、心を動かすためのヒントがたくさん詰まっています。私自身、女性向けビジネスのコンサルティングを行う際には、まずクライアントが届けたい女性像に近い読者層を持つ女性誌をチェックしていただくようお伝えしています。

 

「どんなワードが響くのか」「どんな表現が選ばれているのか」を知ることは、コンセプト設計やコピーづくりにとって、非常に有効なインプットになるからです。

 

そんな〝女性に響く言葉の宝庫〞である女性誌のタイトルづくりを例に、女性に届く言葉の設計ポイントを見ていきましょう。

 

「これ、まさに私のための企画!」

「さすが『Pop!』わかってる!」

 

このような読者の「まさにこれが知りたかった!」「今の自分にぴったりかも」という反応を引き出すために、何より大切にしているのが、〝言葉づくり〞と〝タイトル設計〞です。

 

タイトルは、単なる〝企画名〞ではありません。

 

・女性が今言われたい言葉。

・なりたい自分を想像させ期待させる言葉。

・「この企画、絶対読みたい!」と心が動く一言。

 

こうした要素を丁寧に織り込みながら、限られたスペースの中で、どれだけ魅力を伝えられるか。それによって、誌面に目をとめてもらえるかどうか、そして「読んでみたい」と思ってもらえるかが決まってくるのです。

 

では、どうすれば〝女性の心に火を灯すタイトル〞が生まれるのでしょうか?