商品についてヒアリングを行う際、相手が女性ならば本音を引き出すのは簡単ではありません。1万人以上の女性ユーザーにインタビューを実施してきた筆者に「女性に気分よく話してもらう」ための接し方を学んでみましょう。本記事では、「Popteen」「NIKITA」「ar」「SCawaii!」「Ray」などで16年にわたり女性誌編集を手掛けた橋本夏子氏の著書『女性に売れる言葉とデザイン』(フォレスト出版)より一部抜粋・再編集し、女性にインタビューする際に意識したい3つのメソッドについて解説いたします。
女性の購買心理を紐解く「令嬢インタビュー」とは?…1万人以上にヒアリングした編集者が明かす、上手な“本音”の引き出し方 (※写真はイメージです/PIXTA)

商品よりも「あなたのことを知りたい」を前面に 商品について聞くのは最後の1~2問だけ―メソッド3

インタビューでありがちな失敗のひとつが、最初から商品について質問してしまうこと。すると多くの場合、返ってくるのは「なんとなく良かったです」「いい香りでした!」といった浅い回答になりがちです。まだ打ち解けていない状態で、商品についての感想を求めると、こちらのほうが逆に気を使われてしまいます。

 

まずはその人のライフスタイルや日々の過ごし方、価値観についてじっくり聞いていくこと。そうすると、「この商品が、生活の中でどうだったのか」「実はこんな悩みがあったけれど、こういう部分がすごく助けになった」と自分の言葉でリアルに語ってくれるようになります。つまり、「商品について聞くのは最後」というのが、〝本音の声〞を引き出すためのコツです。

 

法則 まとめ

・女性に本音を語ってもらうには、「何を聞くか」より「どう接するか」がカギ。令嬢にインタビューするように、敬意と親しみを込めた〝上品な特別扱い〞を。

 

・〝商品の前に、まずは人生を聞く〞のが鉄則。関係性を築いてから、商品に関する質問は最後にすることで、リアルで深いインサイトが生まれる。

 

 

橋本 夏子

代表取締役

TOSS International株式会社