糖尿病という診断を受けても、受け入れることに時間がかかる人もいるようです。厳しい食事制限はストレスにもつながるため、できる範囲から始めることが望ましいでしょう。糖尿病専門医である大坂貴史氏大坂氏の著書『血糖値は食べながら下げるのが正解』(KADOKAWA)より、挫折しない糖尿病治療について詳しくみていきましょう。
(※写真はイメージです/PIXTA)
夜型は太りやすい?…「夜更かし」と「食欲」の無視できない関係性【糖尿病専門医が解説】
睡眠不足が体に脂肪を増やす
「先ほど睡眠の話がありましたが、寝たいのに眠れないとつらいですね。ちなみに、
深夜まで作業をしたり、動画などを見たりしていることはありませんか?」
「あ、あります。夜、好きな俳優が出演しているドラマや映像を見るのが楽しみです。そのあとはその俳優についてのSNSをつい見てしまったり……」
「そうですか。睡眠不足が原因で、体の脂肪が増えやすくなることもあるんですよ。睡眠時間が不足すると食欲に関するホルモンをアンバランスにして、食事が乱れがちにもなります。深夜まで起きていると、食べ物を欲しくなったりしませんか?」
ギクッ。
「はい。お菓子をつまんだりすることがあります」
「ですよね? ちなみに、睡眠不足だとストレスホルモンのコルチゾールの分泌が増えて、血糖値を上昇させやすくなることも考えられます」
「血糖値も上がるんですか……」
「そうです。どうしたらいいでしょうか?」
「眠れるかどうかは別として、少し早めにベッドに入ることはできます」
「それがよさそうですね。でも、ドラマが見られなくなってしまいませんか?」
「好きなことをする時間は、日中にも確保する自信があるので大丈夫です」
「わかりました。あまりにも寝付けないようなら、相談してくださいね」
「はい。そうします」
「次は、2か月後でいかがでしょうか? では、どうぞお大事に」
「わかりました。お願いします」
帰宅したら、お皿を開けようと心に誓った。
<先生からの処方箋>
睡眠が不足すると食欲やホルモンを暴走させる。
しっかり眠ることも改善に向かう一歩
大坂 貴史
糖尿病専門医・指導医
総合内科専門医