2024年に韓国の出生率が改善され注目を集めました。原因として、2012年以降減少していた婚姻件数が増加したことが挙げられます。そのなかでも外国人との婚姻、とくに韓国人男性と日本人女性の結婚が増えています。本稿では、ニッセイ基礎研究所の金明中氏が、日韓カップルの増加について詳しく解説します。
日韓カップルの増加は少子化に歯止めをかけるか (写真はイメージです/PIXTA)

韓国の出生率が改善された理由は?

2024年の韓国の出生率が改善された理由の1つは、2012年以降減少していた婚姻件数が増加したことだ。韓国における婚姻件数は、1996年に434,911件でピークに達した以降、減少傾向に変わり、新型コロナウイルスの感染が拡大された2021年には192,507件で初めて20万件を下回った。さらに、2022年の婚姻件数は191,690件まで減少し、19万人を切ることが懸念されたが、幸いに2023年の婚姻件数は2022年より1,967件増加した。

 

出所:韓国統計庁「2023年婚姻・離婚統計」より著者作成
[図表1]韓国における婚姻件数の推移 出所:韓国統計庁「2023年婚姻・離婚統計」より著者作成

 

特に、新型コロナウイルスの感染拡大以降、大きく減少していた外国人との婚姻件数が2022年以降再び増加し、2023年にはコロナ禍下でボトムであった2021年と比べて約3万件も増加した。これは、新型コロナウイルス感染症の収束に伴い、外国人の韓国入国時の入国制限が緩和されたことが一因であると考えられる。

 

出所:韓国統計庁「2023年婚姻・離婚統計」より著者作成
[図表2]韓国における外国人との婚姻件数の推移 出所:韓国統計庁「2023年婚姻・離婚統計」より著者作成