(※写真はイメージです/PIXTA)

相続などをきっかけに、当事者の意思によらず親族間で不動産を共有することになるケースは多くあります。そうした場合にそのまま放置してしまうと、親族間で関係が悪化した時に処分や適切な管理ができなくなってしまうといったリスクがあるため、親族間で話し合って共有名義を単独名義にしたり、相続人全員の同意をもって売却したりするなど、先々のリスクを見据えて早目の対応を行うことが最も重要です。本コラムでは、不動産の共有に関する基本的な知識や、共有不動産を売却する方法・流れ、売却時の注意点を詳しく解説します。

共有名義の不動産を売却する際のトラブル・注意点

(画像:PIXTA)
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共有名義の不動産を売却する際には、単独名義の売却とは異なるリスクや注意点が多くあります。法的な制約だけではなく、感情面でのトラブルも起きやすいため、慎重に対応しなければなりません。

 

以下では、共有名義の不動産売却における主なトラブル・リスクと、その対応方法について解説します。

 

共有者が売却に反対することがある

共有名義の不動産全体を売却するためには、共有者全員の同意が必要となるため、他の共有者のうち一人でも反対している場合には成立しません。実際には、「売却自体には同意しているものの、時期や金額で折り合いがつかない」といったトラブルもよく起こります。

 

このような場合は、他の共有者の意見や事情を丁寧に聞き取りながら、売却の必要性やメリットを根気強く説明して理解を得る努力が重要です。無理に売却を進めようとすれば関係性が悪化し、さらに交渉が難しくなるため、まずは冷静に話し合いの場を設けることが大切です。

 

他の共有者との関係が悪化する可能性がある

共有名義の不動産においても、自分の持分だけを第三者に売却することは可能ではあるものの、このような行動は他の共有者との関係を悪化させる大きな原因にもなります。特に、事前に相談もなく持分を外部の第三者に売却した場合、他の共有者から「裏切られた」と感じられるなど、感情的な対立に発展することもあります。

 

こうしたトラブルを避けるためにも、売却を検討している段階から他の共有者と丁寧に話し合い、できるだけ情報を共有することが重要です。可能であれば、他の共有者に買取の意思があるかどうかを確認し、内部での持分調整を優先する方が円満な解決につながりやすくなります。共有関係は長期的に続くものであるため、信頼関係の維持を意識した行動が求められます。

 

弁護士や司法書士など専門家に相談しながら進める

共有名義の不動産売却は、法律や税務、不動産評価といった多岐にわたる知識が必要となるため、個人で全てを判断して進めるのは非常にリスクが高いといえます。特に、持分売却などの複雑な手続きでは、契約書の内容や登記の方法などにも注意が必要であり、専門知識がないまま進めるとトラブルに発展する可能性が高くなります。

 

そのため、売却を検討し始めた段階から、弁護士や司法書士、不動産会社の担当者など、専門家に相談することが重要です。特にトラブルが想定される共有関係の場合には、早めの相談が後々の安心につながります。安全な取引を実現するためにも、専門家の力を借りながら慎重に進めるようにしましょう。

 

 

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