「損切り」か「継続」か—FPが教える正しい判断基準

「まず、投資している240万円が『絶対に失えない資金』なのか確認しましょう」

佐藤さんが家計を見直した結果、住宅ローンと教育費の他に最低限の生活防衛資金を確保すると、投資に回せる金額は100万円程度しかないことが判明しました。

現在投資している240万円は「過大な投資額」と判明したため、その半分ほどは徐々に減らしていったほうがよいと永瀬さんは助言しました。

「今後の投資戦略は修正が必要です。米国個別株の比率を下げ、バランス型ファンドの比率を高めるべきでしょう」

また、つみたて投資枠については「毎月の積立額を5万円程度に調整し、継続する」ことを提案しました。

「相場は上下しますが、長期的に見れば成長する可能性が高いです。重要なのは、自分のリスク許容度に合った投資をすることです」

「新NISAで後悔しない」ための5つの黄金ルール

佐藤さんの経験から学ぶべき教訓は以下のとおりです。

1. 「やらないと損」という言葉に惑わされない
 ・投資は自己責任が原則。他人の真似ではなく、自分の判断で行う
 ・自分で判断できないならやらない

2. 投資資金は「絶対に必要な資金」と「リスクを取れる資金」に明確に区分する
 ・老後資金や教育費など必須の資金を投資に回さないことが原則

3. 年齢に応じた投資配分を考える
 ・50代後半は株式比率を抑え、安全資産の比率を高めてリスクを調整する

4. 一括投資よりも積立投資でリスクを分散する
 ・特に投資初心者は、少額からの積立でリスクを時間分散することが重要

5. 短期的な値動きに一喜一憂しない投資マインドを養う
 ・株価チェックの頻度を下げ、長期的な目線で資産形成を考える