「絶対に失えない資金」と「リスクを取れる資金」の明確な区別を

永瀬さんは佐藤さんのような50代後半の投資初心者に、具体的なステップを提案しました。

「まず、『絶対に失えない資金』と『リスクを取れる資金』を明確に区別しましょう。佐藤さんの場合、教育費と住宅ローンの返済資金は絶対に確保すべきです」

永瀬さんの提案は以下の通りです。

 

ステップ1:安全資金の確保
「生活防衛資金として最低6ヵ月分の生活費と、今後5年以内に必要な資金(教育費など)を安全性の高い預金などで確保する」

ステップ2:投資可能額の再計算
「安全資金を除いた残りから、投資に回せる金額を計算し直す」

ステップ3:投資戦略の見直し
「失っても生活に支障がない金額で、リスク分散した投資を行う」

「残りの会社生活があと数年の佐藤さんの場合、株式だけでなく債券やバランス型ファンドなど、リスクを分散した商品選びが必要です」

佐藤さんは初めて希望が見えたような表情を浮かべました。

「では、今の投資はどうしたらいいでしょうか?」