みるみる減る貯蓄に、ふくらむ不安…FPから告げられた衝撃の事実

しかし、定年退職からまもなく1年が経とうとするころ、夫婦のあいだに不安の影が差し始めます。通帳を確認すると、「思ったよりもお金が減っている……。このままで本当に大丈夫だろうか」と、不安を感じるようになったのです。

退職当初、木村さん夫婦の現預金資産は、退職金3,500万円と預貯金2,000万円を合わせて5,500万円ありました。しかし現在、その貯蓄残高は約3,000万円になってしまいました。住宅ローンの返済に加え、生活費や旅行代、趣味の費用を貯蓄から充てたためです。

年金受給開始までは貯蓄を取り崩して生活するつもりだったとはいえ、想定以上のスピードで資金が減っていく現状に、木村さん夫婦は徐々に不安を強めていきました。

不安を解消すべく、ファイナンシャルプランナー(以下、FP)に相談したところ「このまま現在の生活水準を維持した場合、年金を受給しても年間収支は常に赤字となり、71歳になるころには貯蓄が底をつく可能性があります」と……。

予想を超える見通しに、木村さん夫婦は大きなショックを受けました。「安定した生活を送ってきた私たちが、まさか……」そう思うのも無理はありませんが、これは決して珍しい話ではありません。

一般的に将来も安心と思われがちな国家公務員でさえ、老後の資金計画を誤れば生活が苦しくなるという現実に直面することもあるのです。