〈本記事の登場人物〉

坂田加奈子さん(43歳・女性)

1児の母。職場では課長を務めるワーキングマザー。父が糖尿病を患っていることから健康には気をつけていたが、健診でまさかの「再検査」に。内科クリニックで「OGTT(経口ブドウ糖負荷試験)」を受けたところ「糖尿病」と診断を受けるも、その後専門医に診てもらったところ糖尿病ではないことが判明。内科クリニックでの“誤診”の原因は、極端な「糖質制限ダイエット」の最中にブドウ糖を摂取する検査を受けたことにあった。専門医は、坂田さんが「糖尿病の一歩手前である“境界型”には該当する」としたうえで、食後の血糖値を改善するための運動の方法を提案する。

食後30分以内に座っている時間を減らす

「ここからは、少し運動の話をしましょう。食後の血糖値を下げるには、運動が効果的です。運動は苦手とおっしゃっていましたね」

「はい。スポーツジムに通ったこともありますが、長続きしなくて。運動したほうがいいとはわかっているのですが……」

「運動については、少しずつ習慣にしていくことが大切です。運動をするために、わざわざウェアに着替えてスポーツジムに行く必要はありません。坂田さんに限ったことではなく、それではだれでも続きにくいでしょう」

おっしゃるとおりですと、心の中でうなずいた。

食後30分以内に座っている時間を減らしましょう。まずは、これだけでいいです」

そんなことでいいならと思ったが、やってみると、意外と難しいのかもしれない。

「具体的には、何をしたらいいのでしょう?」