食後の血糖値を下げるためには、適度な運動が効果的です。しかし、ジムでの運動はハードルが高く継続できない人も多いのでは。『血糖値は食べながら下げるのが正解』(KADOKAWA)著者で糖尿病専門医の大坂貴史氏によると、食後に数分立ち歩くだけでも血糖値の上昇を抑えることができるといいます。本記事で詳しくみていきましょう。
(※写真はイメージです/PIXTA)
食後「30分以内」がポイント…血糖値の上昇を抑える“たった3分”の簡単な方法とは?【糖尿病専門医が伝授】
これならできる…食後30分以内の具体的なアクションとは?
「立ち歩くだけで筋肉が糖を使い始めるから、血糖値の上昇が緩やかになります。食後はすぐに食器を洗ったり、リビングの床や台所をフロアワイパーで拭いたりすれば、片付けもできて一石二鳥です。食器を洗うときには、かかとの上げ下げをプラスすれば、身体活動量が増えますね」
「それって、“運動”なんですか?」
「身体活動とは簡単に言うと、“体を動かすこと”です。筋肉を使ってエネルギーを消費する。だから立ち歩くことだって立派な身体活動ですよ。ランチ後もすぐに席に戻らず、少し歩くだけで違います」
「わかりました。どれくらいの時間やればいいでしょうか?」
「どれくらいの時間ならできそうですか?」
先生のほうも見抜かれていることに気づいたのか、 思わずお互いにほほえんだ。
「タイミングにもよりそうですが、10分くらいなら……」
「では、毎食後、最低3分間はイスから立ち上がるようにしましょう。それも難しい日は、1分間でいいので実践してみてください」
私が盛っていることに気づいたのか、私の回答よりも少ない時間が設定された。
「できそうですか?」
「はい」
「ほかに聞きたいことはありませんか?」
「血糖値は毎日測ったほうがいいですか? 父は毎食、測っているようなので」
「その必要はありません。インスリン注射を打っている人は、血糖値が下がりすぎる心配があるので、必ず血糖値を測ることになっています。ただ、坂田さんには必要ありません。次の1か月後の受診時に採血をして、血糖値の状態がどのように変わるか確認しましょう」
「わかりました」
「それでは、次回の来院時は普段どおりに食事をしてきてください。お大事に」
〈先生からの処方箋〉
食後30分以内の立ち歩きで血糖値の上昇を緩やかにできる!
食後30分以内の立ち歩きで血糖値の上昇を緩やかにできる!
大坂 貴史
糖尿病専門医・指導医
総合内科専門医