理想の住まいづくりにおいて、日々の家事を効率化する設備の選択は重要なポイントです。たとえば、食後の洗い物を楽にしてくれる食洗機。多くの家庭で導入が検討される人気の家電です。たくさんの機種のなかから最適なものを選ぶにはポイントがあって……。本記事では平松建築株式会社・代表取締役の平松明展氏の著書『住んでよかった家 理想の暮らしがずっと続く15の空間』(KADOKAWA)より、家づくりにおける家電選びについて解説します。賢い設備選びを通して、より快適な暮らしを実現するためのヒントを紹介しましょう。
人気の国産より実力派…「ヨーロッパ製食洗機」が節水&長持ちする納得の理由【工務店社長が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

全館空調システム

[図表3]全館空調システム
[図表3]全館空調システム

 

壁掛けエアコンなしで、屋根裏などに大型の空調設備(ダクト)を設置し、家全体を空調するシステム。熱交換ロスが小さいというメリットがある。一方で初期費用、電気代、メンテナンス、故障した場合の修繕や取り替えといった費用面でのデメリットがある。また、ダクト内にカビが発生する、ニオイが抜けないという懸念点もあるため、取り入れる場合は、緻密な設計が求められる。

輻射式冷暖房システム

[図表4]輻射式冷暖房システム
[図表4]輻射式冷暖房システム

 

室外機からラジエータ(パネル)へ、冷房時は冷水、暖房時は温水を流すことで輻射の原理を働かせて空調する、次世代型冷暖房として注目されているシステム。エアコンは不要。除湿機能もあり、無風・無音で快適な空間を維持できる。機能性の高い設備だが、初期費用が高いことで資金計画の検討が必要。また、パネルの設置場所、壁の素材の適応性という点もクリアしなければならない。

電気式洗濯乾燥機・ガス式洗濯乾燥機

[図表5]電気式洗濯乾燥機・ガス式洗濯乾燥機
[図表5]電気式洗濯乾燥機・ガス式洗濯乾燥機

 

キッチンコンロと同様に太陽光発電を設置し、オール電化にしている場合は、電気式洗濯乾燥機の光熱費を抑えられる。ただし、ガス式洗濯乾燥機の乾燥性能は非常に高く、家事の手間とあわせて、考え方次第というところ。機能性はガス式のほうが高いが、初期費用もガス式のほうが高い。

エコキュート

[図表6]エコキュート
[図表6]エコキュート

 

光熱費で給湯の占める割合は大きい。太陽光発電を利用してお湯を沸かすエコキュートは、光熱費の大きな削減になる。エコキュートは電気料金の安い夜間にお湯を沸かす。おひさまエコキュートは昼間に太陽光発電の余剰電力を使い、効率よくお湯を沸かす。初期費用は光熱費の削減で回収できる(シミュレーションが必要)。

 

 

平松 明展

平松建築株式会社

代表取締役