児童手当の増額や大学等の無償化制度など、子育て世帯に嬉しい制度の拡充が進んでいます。とはいえ、それらの制度も正しい情報を知って活用しなければ意味がありません。具体的な事例をもとに詳しくみていきましょう。2人の子どもを私立中学に通わせる石川亜希子AFPが解説します。※プライバシー配慮のため、個人情報を含む一部情報は加工しています。
なにかの間違いでは…世帯年収1,500万円でも「生活はカツカツ」の40代共働き夫婦〈児童手当の所得制限撤廃〉で歓喜→48歳妻、ママ友の“何気ないひと言”に悲鳴【FPの助言】 (※写真はイメージです/PIXTA)

所得制限なし、第3子以降の支給額2倍…「児童手当」拡充ポイント

「児童手当」は、児童を養育している者に支給される給付金のことです。支給額や対象となる児童の年齢は数年ごとに改定されています。2012(平成24)年から2024年9月までは、下記のような条件となっていました。

 

・3歳未満は月1万5,000円

・3歳以上~中学生までは月1万円(第3子以降は1万5,000円)

・所得制限あり

 

それが、2024(令和6)年10月以降は下記のような条件となっています。

 

・3歳未満は月1万5,000円

・3歳以上~高校生までは月1万円(第3子以降は3万円

所得制限なし

 

所得制限が撤廃され、中学生年代までだった支給期間が高校生年代まで延長。第3子以降の支給額についても、1万5,000円から3万円に増額されました。また、第3子以降は、支給対象年齢が18歳(年度末)から22歳(年度末)に延長されました。

 

申請しないともらえない…「児童手当」受給時の“落とし穴”

旧制度で児童手当を受給している場合には基本的に手続きは不要ですが、申請しないともらえないケースもあり、注意が必要です。

 

A家のように、旧制度で所得上限を超過している場合は、自動的に支給されるわけではなく、別途申請が必要です。また、高校生年代のみの子を養育している場合も申請が必要となります。

「子ども3人以上」の世帯は要チェック!「大学等の無償化制度」

子ども3人以上の家庭においては、児童手当拡充の他にも嬉しい制度があります。それが、今月から始まった「多子世帯に対する大学等の無償化制度」(正式には「高等教育の修学支援新制度」)です。

 

扶養する子どもが3人以上の多子世帯において、国が定めた一定額(授業料70万円、入学金26万円)まで大学等の授業料・入学金が減額・免除されることになります。これまでの制度には所得制限や資産条件等がありましたが、こうした制限もありません。

 

子どもを3人同時に扶養している期間のみの支給にはなりますが、A家のように子どもが3人以上いる世帯にとってはとてもありがたい制度です。