『カレーハウスCoCo壱番屋』の「カレー」はなぜうまいのか?

『ココイチ』の愛称で知られるカレー専門店の売りは、なんといっても豊富すぎるカスタマイズに尽きる。5種類のカレーベース、14段階の辛さ、57種類のトッピング――。著者が考えるベスト・オブ・ベストの組み合わせとは?

『カレーハウスCoCo壱番屋』との出会い

『カレーハウスCoCo壱番屋』の「カレー」はどのジャンルに当てはまるのだろう? それは「ジャンル:CoCo壱番屋のカレー」である。僕はインドカレーをはじめ、いろいろなカレーを今まで作ってきたけれど、『CoCo壱番屋』のカレーだけはマジで作り方が分からん、ってくらい特殊なカレー。そして、めちゃくちゃうまいんだよなぁ……。

あまりに『CoCo壱番屋』の「カレー」がうますぎて、日本に来るインド人もめちゃくちゃハマるらしい。そして、ついにはカレーの聖地・インドへの進出を果たした! しかもかなりの人気があるとのこと。これはすさまじい功績だと感動し、涙腺が緩むばかり。

出所:『国民的チェーンめし研究 〇〇の△△はなぜうまいのか?』(カンゼン)より引用 イラスト:蒼井すばる
[画像1]『カレーハウスCoCo壱番屋』創業/1978年、1号店/西枇杷島(愛知県清須市)、店舗数/約1190 出所:『国民的チェーンめし研究 〇〇の△△はなぜうまいのか?』(カンゼン)より引用
イラスト:蒼井すばる

トッピング57種、辛さ14段階、カレーベース5種…豊富な組み合わせ、それでも個性を失わない「CoCo壱のカレー」

「カレー」のテクスチャーはサラサラとトロトロの中間のような不思議な感じ。スパイスは何かのスパイスが突出しているわけじゃないんだけれど、インドとも欧風とも固形ルーとも違う配合で、スパイシーだけれどスパイシーすぎない。味わいは日本らしくうま味がしっかり強いけれど、鰹節とかみたいな和だしのニュアンスはなくて、とにかく米とめちゃくちゃ合う。あえてひと言で説明すると“飄々としているカレー”。フワフワといろいろなバランスをうまく取っていて、そのバランス感がめちゃくちゃ巧み。