「豚肉のうま味」を使い尽くす

これもホントにすごい。ポイントはふたつあって、

1.スープとして煮出した豚骨で二番だしをとる

『ラーメン二郎』にはスープ用の大きな寸胴がふたつあって、ひとつはメインスープ、もうひとつは二番だしスープ。メインスープ寸胴の中で豚骨(ゲンコツ&背骨)を6時間煮出して、その豚骨を取り出して別の大きな寸胴に入れて、水を加えてまたスープをとる。これが二番だし。メインスープはお客さんに出すためどんどん減ってくる。そうしたら、メインスープの中にまた新たな豚骨を入れるのだけれど、そのときに水を加えるのではなくて、二番だしを加える。

このようにして、ひとつの豚骨から徹底的にうま味を絞りとる!

2.「ブタ」を醤油ダレにつける

「国民的チェーンめし」の脳天直撃的うまさを、科学的かつ情熱的に言語化かつ構造化!!

『二郎』では、スープの中で煮込んだ豚の腕肉を醤油ダレにドボンとつけて、その醤油ダレがしっかりつかった豚の腕肉を「ブタ」として豪快にラーメンの上に載っけている。スープで煮た豚の腕肉をタレに入れることで、タレにまで豚肉のうま味を溶かし出す。そう! 『二郎』は一滴たりとも豚のうま味を無駄にしない!

東山 広樹
株式会社マジでうまい
代表取締役

蒼井 すばる
イラストレーター