厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、総所得が1,000万円以上ある世帯の割合は11.6%です。この“高収入”というイメージの世帯では、生活レベルが高くなりがちですから、安定した生活が続けられるように支出を抑えるなどの現役時代からの取組も大切です。本記事では、井上大輔さん(仮名)の事例とともに、老齢年金の仕組みについてFP dream代表FPの藤原洋子氏が解説します。※個人の特定を避けるため、内容の一部を変更しています。
パパは上位6%、うちは上級国民なんだね…年収1,310万円・大手メーカー勤めの50歳会社員父、10歳愛娘の前で鼻高々だったが、〈ねんきん定期便〉を見てガックリ肩を落とした理由【FPの助言】 (※写真はイメージです/PIXTA)

いまからできる将来のための対策

令和7(2025)年は、令和6(2024)年の財政検証に基づいて年金改正が行われます。年金改正の一つに、65歳以上で働きながら老齢厚生年金を受け取る場合、年金額の一部支給停止になる在職老齢年金の基準の見直しが検討されています。そのほかに、高所得層の厚生年金保険料引き上げも想定されているのです。年金改正によって多くの人にプラスの影響があることを期待します。

 

井上さんは現在50歳です。ご自身やご家族の望まれる将来生活設計を実現するためには、資産形成についてもよく考えていかれることが大切だと思います。ご家族のライフスタイルに合わせて、いつごろ、どのくらいのお金が必要になるでしょうか。収入と支出を管理し、必要な金額目標を設定し、資産形成を進めていくことをアドバイスしました。
 

〈参考〉

全国健康保険協会「標準報酬月額・標準賞与額とは?」

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3160/sbb3165/1962-231/

 

日本年金機構 厚生年金保険料率

https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/ryogaku/ryogakuhyo/20200825.files/R06ryogaku.pdf

 

日本年金機構「Q ボーナスからも厚生年金保険の保険料は徴収されていますが、それもこの金額の中に含まれているのですか。」

https://www.nenkin.go.jp/faq/nteikibin/teikibinkisainaiyo/nofugaku/20140602-02.html

 

厚生労働省「公的年金って将来も十分な給付ができるの?」

https://www.mhlw.go.jp/nenkinkenshou/document/pdf/future_enough_a3.pdf

 

第16回社会保障審議会年金部会 令和6(2024)年財政検証結果の概要
https://www.mhlw.go.jp/content/001270476.pdf

 

 

藤原 洋子

FP dream

代表FP