志望大学の出題傾向がわかれば、より効率的な基礎固めが可能
志望大学合格へのスタートは「基礎固め」です。そのとき、志望大学の出題傾向を知っていれば、より効率良く「基礎固め」ができます。問題量が多い大学であれば、スピードへの対策、出題形式や頻出分野などを意識すれば、限られた時間をより有効に使うことができます。
まずは、『全国医学部最新受験情報』(時事通信社)や『大学入試シリーズ(赤本)』(教学社)の出題傾向と分析のページを基に、下記4項目を科目ごとに把握したうえで学習計画を立てましょう。
<学習計画を立てる前に押さえておくべきポイント>
①問題の難度
②試験時間に対する問題量(スピード)
③出題形式
④頻出分野
理想を言えば高校2年生が終わるまでに基礎固めを完了させたいのですが、実際には3年生になってからも基礎の穴埋めが必要な人は多いと思います。その場合でも、遅くとも高校3年生の8月が終わるまでには完了しているようにスケジュールを立ててください。
基礎固めができたら「志望校の過去問」に着手
基礎がしっかり固まった科目については、実際に志望大学の過去問を解くのが最も有効な分析方法です。特に現役生は浪人生に差をつけられないためにも早めに過去問演習に取り組んでほしいと思います。浪人生はすでに受験を経験しているので、実際の入試問題がどのようなものかをイメージできています。つまり、最終的に解くべきゴールとなる問題をイメージし、そのゴールを目指して勉強できるので、努力の方向性を明確にしやすいのです。
しかし、現役生はそのゴールイメージがないため、努力の方向性を間違えてしまう危険性があります。
もちろん、最初の過去問演習の時点では合格点とのギャップがかなり大きい状態かもしれません。問題を解くのに時間がかかりすぎて、制限時間内では半分も解けないかもしれません。それらも含めて、合格点にどれだけ足りないのか、何を克服しないといけないのかといった、自分の課題を明確にしましょう。それを克服することを意識して入試実践レベルの問題集や出題形式別の問題集、特定単元に特化した問題集などを選び、実践的な演習(応用レベル演習)を積み重ねるための計画を立てることが大切です。
以下の図表では、8月に1回目の過去問演習で自分の志望大学合格に向けた課題点を洗い出し、9月以降の応用レベル演習の計画を立てる際に生かすというスケジュールになっています。応用レベル演習に入ってからは、月に1回程度のペースで過去問演習に取り組み、学習計画を実行した成果が表れているかを確かめ、この先の学習計画を軌道修正します。そうすることで、最短で合格するための学習計画がブラッシュアップされるはずです。
可児 良友
医系専門予備校メディカルラボ 本部教務統括

