(※写真はイメージです/PIXTA)

W造(木造)は軽量で加工がしやすい木材を使用するため、コストを抑えやすく、デザインの自由度も高いことが特徴です。一方で、RC造(鉄筋コンクリート造)やSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)といった他の構造形式と比較すると、耐久性や耐火性において異なる特性があります。本コラムでは、木造の基本的な特徴をはじめ、RC造やSRC造との違いや、それぞれのメリット・デメリットについて詳しく解説します。

W造(木造)の法定耐用年数は22年

法定耐用年数とは、減価償却などの計算に用いることを目的として、国税庁により定められた耐用年数のことをいいます。

 

W造の法定耐用年数は、住宅用で20年~22年、事務所用で22年~24年と定められています。これは木造建築物が建築後に経済的に使用できる期間として法的に認められた期間です。

 

他の構造でも比較してみると、RC造は住宅用であれば法定耐用年数は47年、事務所用であれば50年と耐用年数が比較的長いです。また、SRC造の耐用年数はRC造と同様になります。S造は骨格材の強度やコストに違いがあるため、厚さに比例して耐用年数も長くなる特徴があります。例えば、軽量鉄骨造は住宅用で27年、事務所用で30年、重量鉄骨造は住宅用で34年、事務所用で38年になります。

 

このような法定耐用年数は、金融機関が融資の可否や条件を判断する際にも重要な要素となるので、理解しておきましょう。

 

しかし、この法定耐用年数は建物の実際の寿命を示すものではありません。あくまでも税務上の計算に用いられる数値であり、適切なメンテナンスを行えば、建物はこの年数をはるかに超えて使用することも可能になります。

W造(木造)の寿命(物理的耐用年数)

W造の物理的耐用年数は、一般的に40〜50年程度とされていますが、適切な保守・修繕を行えば50年以上、場合によっては100年以上の寿命を持つことができます。近年のW造は高断熱・高気密・高耐震性能を備えており、SE構法(木造ラーメン構造)の採用により耐震性が大幅に向上しています。

 

また、防蟻・防腐処理された無垢材の使用やW断熱工法の採用により、耐久性と快適性が向上しています。適切なメンテナンスを行えば、法定耐用年数を大きく経過しても使用することが可能です。

 

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