(※写真はイメージです/PIXTA)

W造(木造)は軽量で加工がしやすい木材を使用するため、コストを抑えやすく、デザインの自由度も高いことが特徴です。一方で、RC造(鉄筋コンクリート造)やSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)といった他の構造形式と比較すると、耐久性や耐火性において異なる特性があります。本コラムでは、木造の基本的な特徴をはじめ、RC造やSRC造との違いや、それぞれのメリット・デメリットについて詳しく解説します。

W造(木造)のデメリット

(画像:PIXTA)
(画像:PIXTA)

木材は天然の素材であり、気密性が低いという性質を持っています。そのため、W造には以下のようなデメリットが存在します。

 

・耐火性や耐震性が低く災害時のリスクが高い

・害虫被害のリスクがある

・気密性が低く冷暖房効率が悪い

 

耐火性や耐震性が低く災害時のリスクが高い

W造は天然素材である木材を使用しているため、火災や地震に対して比較的弱いというデメリットがあります。特に木材は燃えやすいという特性上、火災が発生すると大きな被害を受ける可能性があります。また、耐震性についても、木材は鉄筋コンクリートや鉄骨に比べて耐久性が低く、地震時に建物が壊れやすくなります。

 

一方でRC造やSRC造は耐火性や耐震性が高いため、災害時のリスクが大幅に減少します。S造もRC造やSRC造には及びませんが、比較的耐震性があり、耐火性を高めるために耐火塗装が施されることが一般的です。

 

とはいえ、近年のW造は高い耐震性能を備えており、特にSE構法(木造ラーメン構造)の採用により耐震性が大幅に向上しています。耐火性についても、適切な防火処理や耐火構造の採用により、従来のW造よりも高い安全性を確保できるようになっています。

 

害虫被害のリスクがある

W造では木材が使用されているため、シロアリなどの害虫による被害を受けるリスクがあります。シロアリが木材を食べることで、建物が徐々に劣化し、最悪の場合、耐久性が損なわれて建物が倒壊する危険性もあります。

 

他の建築構造では、鉄骨やコンクリートが使用されており、害虫の影響を受けることはありません。害虫による劣化の心配が少なく、長期的なメンテナンスの手間も軽減されます。ただし、W造では適切な防虫処理を施したり、防蟻・防腐処理された無垢材を使用したりすることでこのリスクをある程度抑えることが可能です。

 

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気密性が低く冷暖房効率が悪い         

W造は気密性が低く、外気温が室内に影響を及ぼしやすいという欠点があります。そのため、冷暖房効率が悪く光熱費が高くなる可能性があります。S造は外気温の影響を受けやすい特性を持つ鉄骨を使用しており、気密性の面ではW造より劣ります。

 

一方で、RC造やSRC造はコンクリートが使用されており、気密性が高いため、外気の影響を受けにくく、冷暖房効率が優れています。

 

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