当てはまったら要注意…「返済が遅れる人」の特徴

事故を起こす人というのは、融資申込書からしてちょっと違っていた。

「今は無人契約機でカードを作り、ATMで出し入れするのが普通ですが、昔は対面審査で融資申込書に直筆で記入してもらっていました。

そうすると、字が汚かったりバランスが悪い、枠からはみ出る、記入欄の大きさに比べてやたら小さな文字だったりという人がいるんです。彼らの半分は返済が遅れたり所在不明になったりする。どこからも借りていないまっさらな客でも用心して希望額の半分しか貸さないようにしていましたね」

融資した客の特徴をあげていくと、胡散臭い宗教に騙された、マルチ商法に手を出した、ギャンブル中毒、風俗にハマった、社会性が低いといった感じだった。

「これは、わたし個人の意見ですが、こういう連中は借金をすることで金銭感覚やモラルが麻痺してしまうんでしょうね。人間性は簡単には変わらないし、変えようとする努力もしない。要するに根本的に駄目人間なんですよ

延滞、返済停止が生じた場合、2ヵ月間は支店が回収に動くが、これを過ぎても未収という場合は本部の債権管理部に回され、預貯金や給料の一部を差し押さえたり、車やその他の価値のありそうなものを所有していれば換金させて返済に充てさせる。貸した金は利息を付けてきっちり返させる。これは絶対だ。

「だけど回収に手間がかかることもありましてね。ある印刷会社に乗り込んだときのことですが、社長に返済するように言うと、いきなり工場のコピー機で1万円札をコピーし始めて、これ持ってとっとと帰れ、借用書は返せと喚きながら1万円札のコピーをばら撒くんですよ。もう完全に目つきがおかしくて怖くなりました」

学生や新卒、OLの借金が「簡単に回収できる」ワケ

払えない、ないものはないと開き直ったり、倒産して無一文という場合は回収に手間取るが、反対に学生や就職して間もない若手のサラリーマン、OLなどは簡単に回収できた。

月当たり2,000円程度の利息さえ払えない人間に何度も催促するのは時間の無駄。どうするかというと、払える人間に直接掛け合って一気に元利合計全額を回収する。

「早い話が親に出させるんです。このままだと自己破産するしかないですよ。戸籍に載りますよ。就職に差し支えるんじゃないですか。会社に知れたら解雇されることもあるんです。縁談も上手くいかないかもしれません。どうします? って畳みかけたらほぼ一発で回収できます。息子、娘の疵を消せるなら親は100万円ぐらいの金はすぐに払いますよ