(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産投資を検討する際に、建築構造は重要な選択基準の一つになります。本コラムでは、RC造(鉄筋コンクリート造)の特徴やメリットとデメリットについて詳しく解説します。S造・SRC造・W造との違いを理解し、賢明な投資判断につなげてください。

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RC造(鉄筋コンクリート造)のデメリット

RC造には高い耐震性や耐火性、防音性などのメリットがありますが、以下のようなデメリットも存在します。

 

  • 相対的に高い建築コスト
  • 重量構造による制限
  • リフォームの難しさ

 

相対的に高い建築コスト

RC造の建築コストは、W造やS造と比較すると高くなります。RC造の建築には、高品質な材料(鉄筋とコンクリート)の使用と、専門的な技術を要する施工プロセスが必要だからです。例えば、型枠の製作や解体、鉄筋の組み立て、コンクリートの打設など、各工程に熟練した技術者が必要となります。

 

また、RC造はコンクリートの養生期間によって工期も長くなる傾向にあるため、これも間接的にコストを押し上げる要因となります。

 

なお、SRC造はRC造よりも複雑な施工が求められるため、資材費や人件費もRC造より高くなります。

 

重量構造による制限

RC造は、鉄筋コンクリートを用いるため重量構造となり、W造やS造と比較して重量が大きくなります。このため、地盤の強度が十分でない土地では、建築基準法に基づく地盤改良工事が必要になる場合が多く、さらに基礎構造にも制限がかかることがあります。特に、地盤の強度が低い地域では、RC造の建物を安定させるために建物の基礎を深く掘り込む必要があるなど、施工コストや工期に影響が出やすくなります。

 

また、RC造は柱や梁が大きくなる傾向にあるため、居住空間やオフィスの利用可能な面積が狭くなるという制約も生じることがあります。

 

一方、SRC造は鉄骨を内部に組み込むことでRC造に比べて強度が高まり、柱や梁をスリムに設計できるため、W造やS造ほどではないですが、建物全体の重量も抑えられます。

 

リフォームの難しさ

RC造はリフォームや改修工事が難しいというデメリットもあります。鉄筋とコンクリートが一体化した構造であるため、壁や床の一部を取り除くような工事は困難になり、間取り変更や設備リフォームに制約が生じます。配管や電気配線の変更も大がかりな工事を伴うことが多いため、リフォームにコストがかかりやすくなります。

 

これに対し、W造やS造はリフォームが容易で、特にW造は内壁を簡単に取り外せるため、リフォームや増改築に適しています。S造も比較的柔軟性があり、間取り変更や設備更新の際にコストを抑えることが可能です。一方、SRC造はRC造に鉄骨を組み合わせた構造で、RC造と同様にリフォームや改修が難しいです。

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