(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産投資を成功させるためには、その物件があるエリアの発展性を見極めることが非常に重要です。その判断として、不動産が市街化区域にあるかどうかは、ひとつの要素となります。本コラムでは、市街化区域の意義や、メリット・デメリットを詳しく紹介します。また、不動産投資という観点においての市街化区域の考え方や、市街化区域の調べ方も紹介します。

不動産投資について
もっと知りたい方はコチラ>>

市街化区域の種類(用途地域)

市街化区域には、全部で13種類の用途地域が定められています。これらの用途地域は、それぞれ異なる特徴や建築制限が定められており、地域の目的に応じて使い分けがなされています。

 

用途地域の一覧(全13種類)

  • 第一種低層住居専用地域
  • 第二種低層住居専用地域
  • 第一種中高層住居専用地域
  • 第二種中高層住居専用地域
  • 第一種住居地域
  • 第二種住居地域
  • 準住居地域
  • 田園住居地域
  • 近隣商業地域
  • 商業地域
  • 準工業地域
  • 工業地域
  • 工業専用地域

 

例えば、低層住居専用地域は良好な住環境を守るために建物の高さや用途が厳しく制限されているのに対し、商業地域ではさまざまな商業施設の建築が可能です。また、工業地域では工場の建設が認められる一方で、住宅地域では工場の建設が制限されるなど、それぞれの地域特性に合わせた規制が設けられています。

 

用途地域ごとの具体的な建築制限や特徴については、下記の記事で詳しく紹介しています。

 

【関連記事】都市計画法の用途地域とは?13種類の一覧・特徴と制限をわかりやすく解説

市街化区域のメリット

「MERIT」と書かれたブロック
(画像:PIXTA)

 

市街化区域は、すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域なので、今後も都市としての発展が計画された地域であることから、不動産投資の観点からも魅力の高い地域といえます。ここからは、市街化区域の不動産を購入するメリットを詳しく紹介します。

 

  • 新しく建物を建てやすい
  • 生活インフラが整っている
  • 売却や賃貸に有利
  • 将来的な値上がりが期待できる

 

新しく建物を建てやすい

市街化区域がもつ大きなメリットとして、新しく建物を建てやすいという点が挙げられます。

 

工業地域など特定の用途制限がかかっている区域を除けば、原則として誰でも住宅を建てることができます。市街化調整区域では農地の保護が優先され、新規建築には厳しい制限がかかりますが、市街化区域ではそのような制約が少なく、比較的自由に建築計画を進めることが可能です。

 

ただし、用途地域ごとに建物の高さや用途には一定の制限があるため、建築計画を立てる際には、その地域の建築制限を事前に確認することが重要です。

 

生活インフラが整っている

市街化区域は住居として適した地域です。すでに公共交通機関や道路、電気、上下水道などのインフラが整備されている、もしくはこれから整備されるため、土地を購入してから実際に建物を建てるまでの手続きもスムーズに進めやすいという特徴があります。

 

売却や賃貸に有利

市街化区域の不動産は、物件を売却したり賃貸物件として貸し出したりする際に比較的有利となります。

 

都市部に位置しており、通勤・通学に便利であることから居住用不動産として人気があるほか、事業用不動産としても需要が高いため、賃貸物件として貸し出す際に入居者を見つけやすく、賃料収入も高い傾向にあります。

 

また、不動産投資の対象としても人気の高いエリアにあるため売却時に買い手を見つけやすく、比較的高額で売却できる可能性があります。

 

ただし、その分取得価格も高めとなるため、投資判断の際には慎重なシミュレーションが必要です。

 

将来的な値上がりが期待できる

市街化区域は、おおむね10年以内に優先的に開発が行われることが計画されていることから、区域内の不動産には将来的な値上がりが期待できるというメリットがあります。

 

例えば、新しい道路の整備や公共施設の建設、商業施設の進出などにより、地価が高まることが予想されるほか、都市としての発展が進めば、人口集中に伴い住宅需要が増加することも考えられます。

 

もっとも、不動産価値は経済情勢や地域の発展状況によって変動するため、将来の値上がりを確実なものとして判断するのではなく、総合的な投資判断の一要素として検討するようにしましょう。

次ページ市街化区域のデメリット