「便意」は侮れない

「内臓感覚」は、内臓と離れた場所にある求心性神経という部分を介して脳に伝わります。内臓感覚が脳に伝わることで、空腹であれば食事、便意であればトイレに行くといった行動を起こすことができます。

内臓感覚は自律神経や免疫にも影響を及ぼします。「便意を感じない」ということは、内臓感覚の障害、あるいは内臓感覚低下症ともいうことができ、生物である人間にとって危機的な状況といっても過言ではないのです。便意が起きることはとても大切です。

腸が“危機的状況”かも…「内臓感覚低下症」を把握する10の質問

腸の内臓感覚は強すぎても問題ですが(過敏性腸症候群など)、弱さ、あるいは便意の消失について知ることも、腸の健康にとっては大切です。

内臓感覚低下症になっているかどうかを見極める次の10の質問で、自分の内蔵の感覚を確かめてみましょう。

質問項目

1.1日に1〜2食である

2.お腹がゴロゴロいわない

3.水分をあまり摂っていない

4.下腹部がよく張る

5.便意がない

6.下剤を服用しないと排便できない

7.1年以上、下剤を毎日服用している

8.何もしないでいると、まったく便が出ない

9.グリセリン浣腸を使ったことがある

10.排便がなく、お腹が張ってくると胸やけがある

下剤の常用は黄信号…当てはまるものが多い人は、専門医に相談を

当てはまるものがない
→内臓感覚が良好

⑤以外に当てはまる項目がある
→内臓感覚に少々問題あり。重症化を食い止めるために、生活の見直しを

⑤のみ、または⑤+①〜④のどれか2つに当てはまる
→軽度の内臓感覚低下症。アントラキノン系下剤を止め、マグネシウム製剤や坐薬(新レシカルボン坐薬Ⓡ)によって便意を取り戻す訓練を

⑤+その他3つにチェックがある
→中等症の内臓感覚低下症。①〜④に当てはまることが多ければ食事の見直しを。⑥〜⑩に当てはまることが多く体調がつらいようであれば、かなり重症化している

⑤+その他5つ以上に当てはまる
→重症の内臓感覚低下症。専門医に相談を