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目標を設定せずに資産形成を始めるとどうなる？
iDeCo制度やNISA制度の認知率の増加に伴い、有価証券への投資に興味や関心を持つようになった人が増えています。20～30代では、「今の収入を増やしたい」「株主優待を受け取りたい」などと考えている人の割合が多いようです。
金融商品の注文は、パソコンやタブレット、スマートフォンなどを使って、証券会社のインターネット取引でも簡単に行うことが可能です。30歳のAさんは、「自分も老後に向けてお金を増やそう」と漠然と考えるようになりました。
Aさんは、周囲の友人やインターネット上の情報から仮想通貨取引を始めました。少額から取引できる手軽さから、リスクについてはよく理解しないままで始めた投資でした。価格が上昇するたびに投資額を増やしていきましたが、しばらくして大きく価格が下がったことで、損失を出してしまいました。それ以来、投資から遠ざかっているそうです。
Aさんは、「お金は多いに越したことはない」と考えていました。また、投資のよい面ばかりに注目してしまい、元本が保証されている預貯金などと元本が保証されない投資の違いが曖昧になっていたのでしょう。
何のために、いつごろ、いくらくらいのお金が必要かを考えてみると、資産形成のためにどのような方法を選択すればよいかがわかります。また、「絶対もうかる」などと持ちかけられたことから発生するトラブルも、避けることもできるのではないでしょうか。
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自身の目的やライフスタイルに合わせて投資目標を設定
資産形成を成功に導くために、基本となることをご紹介します。まずは、ご自身の資産形成の目的やライフスタイルに合わせて投資目標を設定することです。
人生で叶えたい夢や暮らし方を考えたことはありますか？ 漠然としたものではなく、「何歳ごろ」「どんなことをしたいか」「いくらくらいお金がかかるのか」などを具体的にしたライフプランを立てて、投資目標を設定しましょう。
たとえば、「子どもの教育費を大学入学までに1,500万円用意したい」「老後資金を65歳までに2,000万円準備したい」などと時期や金額が決まると、目標を達成するための計画が立てやすくなります。資産形成は短期間で実現できるものではなく、長期的な視点で資産を積み上げていきます。投資目標を設定することで継続するモチベーションが保て、資産形成がうまく進むことにつながります。
次に大切なのは、ご自身のリスク許容度を知ることです。投資におけるリスクはリターン（利益）の不確実性のことで、利益が出るか損失を被るか、そのどちらに振れるかわかりません。リスク許容度とは、損失を被ってしまった場合、どれくらいまでなら受け入れることができるかということを表しています。
数値化できるものではありませんが、一般的に年齢の若い人や資金を必要とする時期がかなり先であるという場合は、リスク許容度は高いと言えるでしょう。運用期間を長く取れる場合は、損失を被っても利益が出るのを待つことができるからです。
反対に、転勤、結婚、など資金を必要とする時期が比較的近い場合は、リスク許容度が低く、安定した運用が適していると言えます。
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たとえば…目標別、リスク許容度を考えた投資商品の組み合わせ
資産形成は、その人の目標や状況によって異なります。金融商品の内容、つまり価格、取得・保有・売却時などにかかるコスト、メリットやデメリット、リスクとリターンなどを比較し、どのような運用が自分には合っているのかよく検討しましょう。
投資に回すお金は、「生活のための資金」「10年以内など近いうちに使うことが予定されている資金」「急な支出に備えるための資金」を除いた、余裕資金を充てましょう。また、1つの金融商品に集中したり、一度に全額を投資したりせず、銘柄や資産、地域、投資するタイミングを分散する、分散投資を行うと投資のリスクを抑えて利益を得られる可能性が高くなります。iDeCo制度やNISA制度を活用すると税制面のメリットが受けられます。
投資は専門的な知識が必要ですから、ファイナンシャルプランナー、金融機関、IFAなどに相談することも有効な選択肢です。
代表的な例をもとに、目標別にリスク許容度を考えた投資商品の組み合わせを見ていきます。
▼老後資金を10年後までに2,000万円作りたい
リスク許容度：低い
預貯金40％、国内債券20％、国内株式20％、外国債券10％、外国株式10％
▼子どもの教育費を15年後までに1,500万円作りたい
リスク許容度：中程度
預貯金30％、国内債券20％、国内株式30％、外国株式20％、外国債券10％
▼海外移住のため30年後までに5,000万円作りたい
リスク許容度：高い
国内株式40％、国内債券30％、外国株式20％、外国債券5％、預貯金5％
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不動産投資を取り入れた資産形成…どのような人に向いている？
不動産投資とは、所有している土地にアパートやマンションなどを建てたり、物件を購入して運用したりして利益を得る投資方法のことです。たとえば、マンションの一室やアパートやマンションを一棟購入するなどして貸し出すと、入居者から家賃収入を得ることができます。
不動産投資は、比較的安定した資産運用が期待できる上に相続税対策ができるなどのメリットがあり、副収入を得る手段の一つとして注目されています。一方で、始める際に多額の購入資金が必要であったり、物件の選び方や管理方法がわからなかったりするという理由で、実際に投資できる人は多くはありません。
不動産投資を取り入れて資産形成する場合、不動産投資に向いている人の特徴は以下の通りです
・収入が安定した職業についている人
・金融資産が多い人
・継続して勉強を続ける人
・長期的な視点で考えることができる人
・行動力があり冷静な判断のできる人
不動産投資にはメリットがありますが、いくつかの注意点もあり、それを把握して対策を講じる必要があります。自身が「不動産投資に向いているのではないか」と思われる人は、初心者向けのセミナーに参加するなどして、パートナーとして信頼できる不動産会社を見つけることから始めてみてはいかがでしょうか。
