大学進学率は6割弱。いまなお毎年数値を更新しています。なぜ大学を目指すのか――最もよく聞かれるのが、キャリア形成に有利だから。一方で、高学歴でありながら、アルバイトやパートなど、非正規社員を選択するケースも増えています。そこには親の大きな失望が見え隠れしています。
悔しい…〈年金月20万円〉〈月収32万円〉の65歳再雇用サラリーマン、好業績で賞与増に小躍りも、日本年金機構「年金減額します」の無情 写真はイメージです/PIXTA

賞与アップの喜びも束の間、「支給額変更通知書」に落胆

厚生労働省『毎月勤労統計調査』によると、今年の夏季賞与は、事業所規模5人以上の企業で平均41万4,515円、30人以上の企業で平均47万8,814円。それぞれ前年比2.3%、4.2%の増加となりました。昨今、どこの企業も賃上げ圧力にさらされていますが、ベースアップには慎重。そこで、「とりあえず賞与に反映させる」という動きが多くみられました。どちらにせよ、働く側としては嬉しい限りです。

 

ただ苦虫を嚙み潰したような顔をする内藤孝さん(仮名・65歳)。60歳定年以降、再雇用制度で引き続き働いていますが、今年は会社が好業績ということもあり、賞与は想像以上。小躍りして喜んでいたのも束の間、日本年金機構から「支給額変更通知書」が届き、年金一部停止の事実を知らされたといいます。

 

――在職老齢年金ってやつですよ。本当、働く気が失せますよね

 

内藤さんの年金は月17万円ほどで、老齢厚生年金は月10万円ほど。月収は32万円で、さらに賞与は好業績に支えられ年間120万円。結果、在職老齢年金の上限50万円を2万円ほど超えることになり、月1万円ほどが年金停止になったといいます。

 

――月1万円……給与もあるので生活に困るというわけではないですが、本来もらえた年金がもらえないと思うと、悔しくて悔しくて

 

色々といわれている在職老齢年金ですが、そもそもどのような制度なのか。今一度確認しておきましょう。

 

厚生労働省の資料によると、在職老齢年金を以下のように説明しています。

 

・在職老齢年金制度は、現役世代の負担が重くなるなかで、報酬のある者は年金制度を支える側にまわってもらうという考え方に基づく仕組み

・具体的には、厚生年金の適用事業所で就労し、一定以上の賃金を得ている60歳以上の厚生年金受給者を対象に、 原則として被保険者として保険料負担を求めるとともに、年金支給を停止することとしている

 

年金支給停止となる基準額は、現在50万円。「賃金(=総報酬月額相当額:その月の標準報酬月額(月給)とその月以前1年間の賞与を12で除した額の合計)+老齢厚生年金」>上限50万円となると、支給上昇額の2分の1相当の厚生年金保険給付が支給停止となります。これに加えて、70歳未満は厚生年金保険料を負担。70歳以降は厚生年金被保険者とならないため、保険料負担はありません。

 

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