「ざまあみろ!俺は自由だ」~晴れやかな気分で去った最後の出社日

瀬戸島さんは、上司への恨み節を残して晴れやかに退職願を提出しました。

「ざまあみろ! 俺は自由だ」

心のなかで叫んでいました。これで自分の老後は悠々自適。怖いものはまったくないという気持ちになっていました。

さらに、瀬戸島さんは受け取った退職金2,000万円全額も投資に回すことにしました。資金を置いておくだけで先生の投資手法で自動的に売買してくれるシステムを勧められ、10万円で購入していたのです。そして、自動取引で投資資金はなんと1億8,000万円にまで膨らみました。

ここにきて、瀬戸島さんは「せっかく増えたお金を使って新車でも買おうか」と、1,000万円の引き出しを依頼しました。

しかし、アシスタントから「引き出しの前に納税が必要なので334万円を送金してください」と言われました。しかし、すべて投資に回していて手元にお金がありません。そこで、瀬戸島さんは両親と弟に頼み込んで300万円を調達し、送金しました。

ところが今度は「追加の証拠金420万円が必要です」と言われたのです。不安を感じましたが、消費者金融も使って何とか資金を工面し送金することができました。

しかし、その直後、先生ともアシスタントとも連絡が取れなくなってしまいました。瀬戸島さんの不安は、恐怖へと変わりました。