以前は、通夜と告別式を行う「一般葬」が主流でしたが、コロナ禍以降、選択する人が増えている「家族葬」。家族葬の明確な定義はありませんが、家族や親類、親しい友人などの少人数で執り行う葬儀であると認知されています。一般葬と比べて費用を抑えられる点も需要増の要因かもしれません。ところが、あとから訃報を知った人から「なぜ、知らせてくれなかったのか」と責められてしまうケースも少なからずあるといいます。現代の葬儀のあり方について、ファイナンシャルプランナーの山﨑裕佳子氏が事例をもとに解説します。
普通の葬儀にしておけばよかった…「年金月8万円」「貯金ゼロ」の享年78歳母を家族葬で弔った、シングルマザーの52歳娘。葬儀後に知った「まさかの真実」に涙したワケ【CFPの助言】
アフターコロナの葬儀の形
葬儀の形式に変化が生じているようです。葬儀は、主に一般葬、家族葬、一日葬、直葬と4つに分類できます。コロナ以前の葬儀は、通夜、告別式のある一般葬が主流でしたが、徐々に家族葬を選択する人が増えていき、コロナ禍ではその割合が逆転しました。以降、家族葬が主流となっています。
株式会社鎌倉新書「第6回お葬式に関する全国調査」によると、直近では50%の人が「家族葬」を選択しています。次いで「一般葬」が30%、告別式のみ行う「一日葬」、葬儀を行わない「直葬・火葬式」と続きます。(調査対象:2022年3月~2024年3月に喪主を経験したことのある日本全国40歳以上の男女、有効回答数2,000件)
[図表1]は一般葬と家族葬の割合の推移を示しています。コロナ前までは、一般葬の割合が家族葬を上回っていました。ところが、人同士の接触を避けなければならなくなったコロナ禍で割合は完全に逆転し、その傾向は現在も続いています。
確かに、最近は著名人が亡くなった際にも一般葬ではなく、家族葬を選択することが増えているようです。
自分事として考えた場合でも、葬儀に参列する機会は減っていると感じる人も多いのではないでしょうか。