年金は待っていればもらえるものではなく、申請しないともらえるものではありません。また年金にプラスしてもらえるお金もあり、それもまた申請しないともらえません。知らず知らずに損をしていないか、確認が必要です。
夫急逝で「年金月6万円」に減額の66歳妻、窮地に…ある日、年金機構からの「緑色の封筒」が教えてくれた「申請しないともらえない年金」に涙 (※写真はイメージです/PIXTA)

緑色の封筒で救われる高齢者…全国で780万人

日本年金機構から届く「緑色の封筒」のことを笑顔で話してくれた加藤さん。封筒のなかに入っていた年金生活者支援給付金の申請書は、必要事項を記載のうえ送り返すだけで、いつもの老齢基礎年金に年金生活者支援給付金がプラスされ受け取ることができるようになります。

 

逆をいうと、どんなに受給資格があろうとも、申請しなければ受け取ることはできません。

 

この年金生活者支援給付金、「①65歳以上の老齢基礎年金の受給者」「②同一世帯の全員が市町村民税非課税」「③前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が88万9,300円以下*1、または887,700円以下*2」のいずれも満たしていることが条件。

 

給付額は月額5,310円を基準に、保険料納付済期間等に応じて算出されます。また収入が年78万9,300円を超え88万9,300円以下*1、または78万7,700円を超え88万7,700円以下*2の場合は、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

 

*1:昭和31年4月2日以後に生まれ

*2:昭和31年4月1日以前に生まれ

 

厚生労働省『令和4年厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、老齢年金生活者支援給付金は780万4,320件に支給。これは65歳以上の高齢者3,623万人の15.6%にあたり、ひとりあたりの平均給付額は3,930円でした。

 

また年齢別でみていくと、70歳未満では45万件、70~74歳で70万件、75~79歳が81万件、80~84歳が93万件、85~89歳が85万件、90歳以上が85万件でした。就業による収入が可能なうちは受給件数も少なく、年齢と共に働けなくなる人も増えていくに従い受給者も増えていくことがわかります。

 

――もらえるのは1年で6万円ほど。焼け石に水程度のお金ですが、それでもありがたいですね

 

と加藤さん。久々に笑顔になれたといいます。

 

[参考資料]

総務省『家計調査 家計収支編 2023年平均』

厚生労働省『年金生活者支援給付金制度について』

厚生労働省『令和4年厚生年金保険・国民年金事業の概況』