厚生労働省から2023年の『人口動態統計』が発表されました。今回は最新の離婚事情についてみていきます。
【最新】47都道府県「離婚率」ワーストランキング…「東京」ワースト28位、「大阪」ワースト5位 (※写真はイメージです/PIXTA)

2023年離婚件数、全国で約18万件

厚生労働省『令和5年人口動態統計(確定数)の概況』によると、2023年の離婚件数は18万3,814件。

 

時間軸でみていくと、離婚件数がぐっと増えたのは1990年代に入ってから。1985年に「男女雇用機会均等法」制定。女性の社会進出が進んでいきます。1990年代には専業主婦世帯と共働き世帯が逆転。経済的な懸念がなくなり「離婚しても大丈夫」という女性(妻)が増えたことも、離婚件数が増加したことの一因でしょうか。

 

2000年代に離婚件数はピークに達し、その後は減少傾向。昨今は20万人弱で推移しています。これはそもそも婚姻数が減っていることも要因と考えられます。

 

【離婚件数の推移】

1950年:83,689件

1960年:69,410 件

1970年:95,937 件

1980年:141,689 件

1990年:157,608 件

2000年:264,246 件

2010年:251,379 件

2014年:222,115 件

2015年:226,238 件

2016年:216,856 件

2017年:212,296 件

2018年:208,333 件

2019年:208,496 件

2020年:193,253 件

2021年:184,384 件

2022年:179,099 件

2023年:183,814 件

 

また離婚した夫婦の平均同居期間は12.6年。離婚に至るまでの同居期間は、2000年は10.3年。年を追うごとに長くなっています。これは婚姻歴20年以上の熟年離婚の割合が増えていることが一因。そして熟年離婚を後押ししているのが年金分割です。老後の経済的不安から離婚を踏みとどまっていた人たち。年金分割が認められるようになると、老後の不安感が薄れ、離婚を決断しやすくなったのです。

 

離婚のハードルは、どんどん低くなっていく……昨今の傾向です。